長らくDELLの4Kモニターを使っていましたが、新しいモニターが欲しくなってきました。有機ELもウルトラワイドも気になるし、湾曲モニターだって使ってみたい…。色々比較した末に、全てかなえてくれるモニター【DELL ALIENWARE AW3423DWF】を購入。正直、自分でもこれほど満足感が得られるとは思いませんでした。
本記事では AW3423DWFを開封&レビューしつつ、何がどう良いのか?他社のモニターと比較してどうか?ウルトラワイドとか湾曲とか結局どうなのか?AW3423DWと何が違うん?などについて詳しく紹介します。
なぜ AW3423DWFだったか?
先に書いた通り、まずは「有機EL(OLED)&ウルトラワイド&湾曲」を満たすことが条件でした。モニターのパネル種類はVAやらIPSやらありますが、ゲーミングモニターとしての性能だけ比較すればOLED一択です。議論の余地なしです。
ざっくり言えば「VAパネルは安価で応答速度が速い。IPSパネルはキレイで視野角広い。OLEDはその両取りだが高価」です。大手ECサイトで安価で売ってるゲーミングモニターは大体VA。高価ですが、高性能を求めるならOLEDです。
競合製品と比較
ではAW3423DWFと競合する製品たちを比較します。実のところ、OLED&ウルトラワイド&湾曲の全てを満たすモニターは多くありません。34インチと決めて探して、購入検討したのは以下の5機種です。
AW3423DWFは高性能とはいえ、似た性能を持つ製品の中で見れば「地味」な性能です。VAやIPSと比較すれば十分以上に高性能ですが、トップオブトップではない。そう、AW3423DWFの魅力はそのバランスの良さ、コスパの良さにあるのです。
0.03msの応答速度も240Hzのリフレッシュレートも私にはオーバースペック。IPSパネルよりキレイで、VAパネルより早く、リフレッシュレートは120Hz以上あれば十分と思っています。
その点、AW3423DWFはちょうどよい。VAやIPSを置き去りにするトップクラスのリフレッシュレートと応答速度、OLEDより優れたQD-OLEDを採用したパネル、1800Rという激しすぎない曲率。そして競合に比べて最も安い!まさにコスパで選ぶならコレ。最も財布に優しいウルトラワイドOLED湾曲モニターなのです。
ALIENWARE AW3423DWFレビュー
開封
ゴタクはこれぐらいにして、さっそく開封!…してみましたが…
箱がデカい!
34インチはそれほど大きいモニターではありませんが、AW3423DWFの箱は想像を上回るデカさでした。モニターの箱って保管しておくと何かと便利(リセールの時とか)なんですが、これはどこかに仕舞うのもしんどいデカさ。購入する方は作業エリアを広めにとっておいた方が良いと思います。
ともあれ、開梱!ドン!
AW3423DWFはACアダプターを内蔵。ACケーブルで直接給電できます。USB Type-Bケーブルが入ってますが、必要になるので勢いで捨てないように!(後述)
本体レビュー
先代機である AW3423DWでは背面ホワイトでしたが、今回はブラックになりました。ALIENWAREのロゴであるエイリアンマークと、インチ数「34」のLEDインジケーターはそのまま。ココの発光色は設定で変更可能です。ゲーミングモニターぽいですね。
こちらはモニターの下面。ベゼルからインタフェースを無くしたい会社が多いらしく、最近のモニターはインタフェースは下面に備えられることが多い。AW3423DWFも例に漏れません。
真ん中にあるのがジョイスティックで、メニューの操作などで使用します。USB-A (USB 3.2 Gen1) ポート×2、ヘッドフォン ポートもココにあります。
こちらは背面から見て右側に位置する Input/Outputポート群。左から USB-B (USB 3.2 Gen 1) アップストリームポート、USB-A (USB 3.2 Gen1) ポート×2、HDMIポート、Display Port×2、スピーカー音声出力ポートです。
USB-B…!?と思った方、私もです。久しぶりに見ました。コチラのポートはモニターのファームウェアアップデートで使用します。
逆側、背面から見て左側は電源コネクターとセキュリティロックスロットが配置されています。
セットアップ
ゲーミングモニターっぽいカッコいいスタンドがついてるんですが説明割愛。今回はエルゴトロンのアームで取り付けます。
AW3423DWFは勿論VESAに対応。VESAマウンティングインターフェースは
100 x 100 mm。モニターの重量も6kgチョイなので、エルゴトロンLXに限らずほとんどのモニターアームに対応しているはずです。モニター重量も6kgチョイなので、全く耐荷重範囲内です。安心。
インターフェース部を隠す I/Oカバーが地味に有難い。画像のように、配線をかなり隠してくれます。いわゆるケーブル収納ボックスを内蔵している感じ。あんまりこういう工夫を見たことがなかったので感心しました。
ファームウェア更新すべし
さて、早速使って…の前に、ファームウェアが最新か確認しましょう。AW3423DWFのファームウェアはこちらから確認&ダウンロードできます(DELL公式サイト)。「モニターの画面の左側と右側で鮮明度の効果が異なる問題を修正」「HDRの動作を更新」など結構デカい問題が修正されているので、バージョンが古かったら必ずアップデートしときましょう。
USB Type-Bケーブル(アップストリームケーブル)はココで使います。PCとモニターをこのケーブルで接続したら、ファーム更新ツールを実行するだけです。
スタイリング
という訳でセットアップが完了した姿がコチラ。やっぱウルトラワイド&湾曲のモニターは映えます。一気にデスクツアーなぞやれそうな雰囲気になりました。
34インチと聞くと大きく感じますが、実際設置してみると大きすぎず小さすぎず、良いサイズに感じられます。今まで27インチの16:9を使ってきましたが、縦幅がほぼ同じなので違和感が少ない。単純に左右に作業領域が広がった印象で気分が良いです。
湾曲モニターは湾曲しているぶん前面にせり出しているので厚みがすごい…という評判を聞いていましたが「そう?」という感じ。普通のモニターとあんまり変わんなくない?
奥行きは127.11 mmですが、数字ほどの厚みは感じません。27インチ辺りを使っている方なら違和感ないでしょう。デスクに置けるかな…と心配な方は「横幅80cm」が判断基準にしやすいと思います。
使用感レビュー
画質良好、HDR必須!
以下はウルトラワイド(21:9)動画をHDRで写したところ。
思わず「おお」と漏れる美しさ。そして何より黒が黒い!今まで使ってた4K IPSモニターはキレイなものの、黒も発光していて少し白っぽいのが気になってました。その点、OLEDの黒はマジで黒い。それだけで画面が引き締まってクリアに見えます。
4Kモニターを使っていたので解像度の低下が気になるかな?と思いましたが、全然気にしていたほどではありませんでした。ただHDRはONでないと実力を発揮できない印象はあります。実際、最初にHDRオフで上の動画を見たときは「あれ?」と思いました。ゲームや映像コンテンツを楽しむならOLEDとHDRはセットと思ったほうがいいかも知れません。
ベゼルレスと言われてますが黒い帯は結局入るので、メチャ薄!というほどではないです。とはいえ十分ベゼルは狭めではあるので、気になるようなものではありません。対して視野角は圧倒的!ほぼ横から見ても見えます。OLEDって凄い。
ゲームはウルトラワイドの本領発揮
ウルトラワイドといえば「没入感」という言葉が良く使われますが、ゲームプレイはまさにその言葉がピッタリ。オープンワールド系やレース系のゲームは特に相性がよく、最初にプレイした時にはちょっと感動しました。視野が広くて気持ちがいい。目の前に世界が広がっている感が強く、臨場感があります。
こうして見てみると一目瞭然。ウルトラワイドをプレイした後だと、16:9が物足りなくなります。視野が広いので索敵が捗るとか、周囲を把握しやすいとか、ゲーム的なメリットもあります。
ウルトラワイドで120frでレースゲームをぬるぬる動かすと、一種のカタルシスが得られます(笑)。ゲームをやるならウルトラワイドの方がいいと思います、マジで。
ゲームプレイ時の悪いところ。UIは基本的に画面の隅っこに寄せられるものなので、ウルトラワイドではそれらが視界に入りにくくなる欠点がありました。例えば上の画像だと周囲は認識しやすいですが、マップや装弾数を確認するために視点の動きが大きくなります。画面上にUIが多いゲームは視点移動が多くて結構疲れそうでした。
一人用ゲームを臨場感たっぷりにやるならウルトラワイドは超オススメ。逆にシューターで天下取りたいような人は16:9の方がいいでしょう。アスペクト比はゲーム側で設定できる場合がほとんどなので、好みに合わせて設定を。
PBP、PIPと相性良し
OLEDモニターは高価格帯のモニターなので、PBP(Picture By Picture)/PIP(Picture In Picture)の機能搭載のものが多いです。 AW3423DWFも、もちろん搭載しています。
何を隠そう、ウルトラワイドはこのPBP/PIPと相性が良い!PBPしてもゲーム画面をミッチリ16:9で表示できるのがウルトラワイドの強みです。例えば上の写真のように、片画面はゲーミングPCを16:9で表示、もう片画面は別PCでSNSや攻略サイトを表示…などなど。ウルトラワイドなら、モニター一つでデュアルモニターが可能なんです。
画面分割の方法は色々選べます。PIP/PBPの分割方法があまり選べない機種も多いですが、AW3423DWFは結構あります。
マルチディスプレイにするよりお手軽だし、アーム化も簡単。BenQのドッキングステーションだとボタンで出力数を切替えられて相性良し!PIP/PBPを使いこなしたい方にはオススメです。
ピクセル更新は…ちょっと気になる
表示速度が速く視野角も広い、消費電力も小さいと最強のモニターであるOLEDですが、欠点が2つあります。一つは高価格であること。そしてもう一つが画面が焼き付きを起こすことです。この焼き付きを防ぐために、定期的に『ピクセル更新』が入ります。
4時間に一度 OLEDピクセルリフレッシュがリマインドされ、実行すると6~8分は画面が映らなくなります。また焼き付きを防止するため「ピクセルシフト機能」が定期的に実行され、ピクセルが自動的に動きます。どちらも致命的に気になる問題ではないですし、慣れれば慣れます。
動画視聴やゲーム時のピクセルシフトは、ほぼ気が付きません。仕事用途だと気が付きますが、慣れれば問題なし。ウルトラワイドは動画編集もしやすく、クリエイティブもこなせるモニターです。
しかし文字を読んでるときなど、ピクセルがピクッと動いて、集中力が一瞬持っていかれる感じはあります。OLEDは最強のゲーミング用モニターですが、仕事用途一本ならIPSを検討した方がいいかも。安いし。コレさえ無ければゲームにも仕事にもオススメできるモニターなんですが、惜しい。技術進化によるブレイクスルーを待つしかないですね。
そのほか細かい使い勝手
インタフェースが下部にあって使いにくい!という評判を聞いてましたが、そう??全然気にならんけど、という印象でした。むしろフロントにあるよりミニマルでいいです。そんなに頻繁に触る場所でもないし。
ただリモコンは別売りでいいから欲しかったところ。PIP/PBP切り替えは地味に面倒ですし、モニターの物理ボタンが壊れる心配も無くなりますし。
背面にあるLEDロゴは、メニューから色が変更できます。全20色。ゲーミングモニターっぽい ムダな 機能ですが、壁を背にしていると薄っすらモニターバックライトのようになって結構カッコいいです。少しでも消費電力を抑えたい方はOFFにもできるので安心。
AW3423DWFはファンを2つ内蔵していて、高負荷状態などで本体が高熱になると回り始めます。ファンの回転/停止は任意ではできず、完全自動です。HDRや高輝度状態を長く続けていると薄っすら本体が温かくなってきて、ファンが回り始めます。
こちらも「ファンが~」と言っている方を見かけていたので気にしていましたが、想像以上に静かでした。というか私にはほぼ何も聞こえません。耳を澄ませば聴こえるレベル。小さい物音でも気になるレベルの人でなければ大丈夫だと思います。
まとめ
Alienware AW3423DWFは「ウルトラワイド」「湾曲」「有機EL」と全部入りの34インチゲーミングモニター。HDRでの映像体験は圧倒的の一言。これを使ったらVAパネルやIPSパネルには戻れなくなるほどです。ゲーミングモニターには欠かせない反応速度、リフレッシュレートも高水準。ALLEENWAREらしいクールなデザインも見逃せません。それでいてお求めやすい価格。これを高コスパと呼ばずに何と呼ぼうか。
DELLのモニターは保証が手厚いのも魅力!不良ドット(常時輝点1ヵ所以上 or 無輝点6ヵ所以上)と焼き付きについては3年間に渡って補償してもらえます。高額なOLEDモニターだからこそ、保証がシッカリしたメーカーで購入を。
AW3423DWFは主にDELLの公式ストアで販売されています(2024年8月現在)。一般的なモニターとしては高く感じますが、OLEDモニターとしてはかなり安い部類。DELLのセールやクーポンを狙えばさらに安く買えます。
大手ECサイトでも取り扱いはあるようですが、DELL公式よりは高めの値段設定です。
Amazonなど大手ECサイトでは、兄弟分であるAW3423DWが主に販売されています。こちらの方がリフレッシュレートが高い代わりに、価格もやや高め。PIP/PBPに興味が無ければこちらもヨシです。本体カラーがホワイトなので、デスクを白で固めてる方もコチラが良いかも。
ウルトラワイドも湾曲もOLEDも慣れるか少し不安でしたが、私は無問題でした。マジで買って良かった!遊びにも仕事にも毎日ガンガン使ってますが最高です。もっと早く買えばよかったぜ~
今回はこれにて。最後までお読みいただき、ありがとうございました。