仕事柄、考えていることを書き起こして資料化することがよくあるのですが、未だデジタルとアナログを併用しています。どちらも良い所があって、片方だけにするとどうしても弊害が出るんですよね。
そんなところに、スマートノートパッド【HUION NOTE X10】をご提供頂きました。書いたものがそのままデジタル化されるメモ帳です。同じコンセプトの製品は以前からありますが、HUION NOTE はちょっと面白い製品でした。実際に使ってみながらレビューしていきます。
HUIONってどんな会社?
HUION (フイオン)は Huionトレンドテクノロジー株式会社 (Shenzhen Huion Trend Technology)が展開している、ペンタブレットのブランドです。かつてはツクモが総代理店でしたが、2022年に日本法人である株式会社フイオンを設立。千代田区に直営ショップがオープンしています。
あまり聞いたこと無いメーカーと感じる方も多いでしょうが、OEM供給も多いのでグループを含めたHUION市場はかなり大きいです。世界におけるシェアは第二位。もちろん一位はWacom(シェア8割)ですが、シェアの一角をHUIONが占めるようになっています。日本企業へのOEM供給などもあり、国内でも存在感を増してきているブランドです。
Amazonの グラフィックタブレット&ペンの売れ筋ランキング でも頻繁に HUIONの名前が見つかります。絶大なコスパからか、大手通販サイトでは特に人気の様子です!
HUION NOTE X10 レビュー
開封レビュー
さっそく、冒頭に載せた重厚なハコを開封してみます。ドン。
ノート本体と、付属品がそれぞれ小箱に入ってお目見えしました。さらに開封して展開してみます。ドン。
取扱説明書は無く、クイックスタートガイドのみ付属しています。マニュアルはダウンロードすることができるのでご心配なく。
本体レビュー
HUION NOTEは、デスクに置いていたら「ちょっとした高級文房具」という面持ち。レザー調のカバーとペンスリーブは質感高く、ガジェット感はほぼゼロです。
本体の重量は432 g。デジタルペンとスリーブを合わせて23gなので、上の画像の状態で455gです。A4のノートが一冊140g程度なので、だいたいノート3冊分程度の重さ。持ち歩きに困るような重量は無いどころか、むしろ軽く感じます。
サイズは 241×178×3mm 。中のノートは 210×145mmなのでA4の半分、つまりB5サイズです。HUION NOTEはノートカバーとペンでシステムが成立するので、ノートにはタネも仕掛けもありません。つまり、B5サイズのノートであれば好きなものを使うことができます。コレは有難い仕様ですね。
ノートスリーブを開いた状態にすると、右上にLEDのインジケーターが確認できます。またその横には(写真では確認しにくいですが)ごく目立たないようにファンクションボタンが配置されています。
LEDの表示により、接続状態やバッテリーの状態、動作状態などを確認することができます。ファンクションボタンは主にBluetoothでの接続用。使用中でも目立たないので、やはり普通のノートにしか見えないでしょう。
ノートスリーブ上面には USB Type-Cポートを配置。ポートはこの一口のみです。充電用途のほか、PCと有線接続して使用する際もコチラから接続します。
セットアップ
HUION NOTEはスマホやタブレット、PCに接続して使いますが、いずれで利用する際にもアプリケーションが必要です。今回は実際に iPhone にインストールしながら解説していきます。
本体はセットアップ前に充電しておきましょう。私は1時間ほど充電してセットアップに臨んで電池残量100%だったので、もっと短くてもいいかもです。
iOS、Androidでの利用なら「Huion Note」というアプリが必要なので、まずはそちらをインストール。
アプリを起動して進めていくと、Huion Note本体にあるQRコードを読み取るべし、という旨が表示されます。Huion Noteを開いた下部にある シールから QRコードを読み取ります。
するとログイン画面になります。大多数の方はアカウントを持ってないと思うので、左下にある「登録する」から新規登録します。登録を終えると設定したメールアドレスにアクティベーションコードが届くので、コレをアプリ側に入力するとアプリの使用が開始できるようになります。
あとは アプリから HUION NOTEへ Bluetooth接続します。正しく接続できると、HUION NOTE本体側のインジケーターが青色に点灯します。こうなればセットアップ完了。いつでも使える状態です。
アカウント登録の手間も含めて、セットアップ時間は10分程度。アプリも親切に作られているので、特に迷うことも無いと思います。
使用感レビュー
何はともあれ、肝心なのは使い心地です。まずはササッと書いてみます。
おお、書けた!
メモ書きがリアルタイムに反映されるサマは、見ていてちょっと不思議な感じ。ペンタブと違ってノートのほうに集中していれば勝手にコピーされているので、スマホの方をチラチラ確認する必要もありません。ラクなもんだ。
パッと見た感じでは目立つ誤差もなくキレイに見えます。色々書いて(描いて)みましょう。
精度は高めで、メモ書きとしては何の問題もないレベル。ただ細かく見て行くと文字の「はらい」部分が、デジタルの方がやや長めに出ているのが分かります。おそらくインクは出ていないけど筆圧が残っている状態が一瞬あって、その分がデジタルの方に出てしまっているのでしょう。
HUION の N に少し大きめの誤差が出ています。紙が少しヨレていたりしたんでしょうか?いずれにせよ、メモ書きであれば大きな問題はない程度の誤差です。
イラストも描いてみました。絵もほぼ問題ナシ。メモに残すための図やイラストはもちろん、ちょっとしたスケッチや絵の下書きなんかにも使えそうな精度です。
同程度の大きさにして初めて、デジタルの方が線がやや太いことに気が付きました。アプリ側で筆圧感度やペン先太さを自由に設定できます。デフォルトが一番書きやすいと感じましたが、イラストを描くときにはもう少し細めの設定にした方が実際の絵に近くなると思います。
ちょっと面白かったのが、ノートに書いた線の履歴が残されていて、それを再生できる機能。先に書いたイラストを再生すると(一部省略していますが)こんな感じ。再生の様子はMP4にしてエクスポートすることも可能です。
何に使うか?はさておき、文字列やドローイングが描かれていく様子を見るのはそれだけでも楽しい。絵や字が上手い人がやったら尚更、目を引くものになるでしょうね…!
オフライン同期が便利
使ってて特に便利だったのが「オフライン同期」。オフライン状態でもノートに書いた軌跡を覚えていて、スマホと接続したときに同期してくれる機能です。つまり、いつでもスマホを出した状態でメモを取らなくていい、ということ。便利~
HUION NOTEとスマホを接続すると、上記のようなポップアップが表示されます。「同期」を選ぶと、数秒でスマホへのインポートが完了します。
上記がオフライン同期した文章です。ご覧のように、再現性はバッチリ。もちろん先述の「ノートを再生」も可能です。オフライン状態でも50ページ分の情報を保存しておくことができるのだとか。
普通のメモと遜色なく使えて、後でスマホにエクスポートできるノート…と考えると単純にアナログの上位互換です。私は専らこの使い方をばかりしています。
PCのペンタブとしても使用可
PCと有線でUSB接続すれば、ペンタブレットとしても使用できます。対応OSはWindows/MacOS/Linuxです。使用にはドライバが必要で、こちらのページ(Huion Noteのドライバ・マニュアルダウンロードページ)からダウンロードできます。
上記が実際にペンタブにした状態。逆折りにして使う感じです。ノートは取り外さなくても使えはしましたが、使いにくいのでほぼ外すことになるでしょう。付属していた下敷きのようなものは、ここで上に置くとペン先の滑りがよくなり「まさにペンタブ」という書き味になります。
もちろんペン先もプラスチックタイプに替えておく必要があります。付属のピンセット(?)のようなものでペン先を引き抜き、替えたいペン先を新たに差し込むだけです。替え芯が多めに付属しているのが嬉しい。
「まあオマケ機能かな」と思って使ってみましたが、市販のペンタブとほぼ遜色なく使うことができてちょっとビックリ。これもうペンタブ要らんくなるやん、と思いました。
時にペンタブとして使える 2in1のスマートノート!持ち歩きも良いですが、私は会社で使用中。書いたものがそのままデジタル化されて共有も簡単ですし、オンライン会議で図がかけるペンタブは重宝します。オフィス利用おすすめですよ~!
まとめ
見た目はオシャレなステーショナリーといった雰囲気ながら、アイデアの詰まったスマートノート【HUION NOTE】。リアルタイム接続しての利用はもちろん、スマホと接続してなくても使えるオフライン同期が便利。精度も高く、図やスケッチもキチンとデジタル化してくれます。
ペンタブとしても普通に使える 2in1なので、使い方次第で色々遊べるスマートノートになっています。手書き・データどちらも残るので、アナログもデジタルも捨てがたい人にこそオススメ!両方の良いトコ取りができるガジェットです。
電池の持ちも良く、欠点の少ないガジェットです。HUION製品は初めて使いましたが完成度が高い!良いスマートノートをお探しの方に推薦いたします。
本日はこれにて。最後までお読みいただき、ありがとうございました。