高級ロボット掃除機【Narwal Freo】をご提供いただきました。佐川さんが持ってきてくれましたが「えっ何これ?」というほど巨大なハコ。そして重たい!なにこれ!?こんなロボット掃除機…はじめて…!
驚きから始まった Narwal Freoとの対面。本記事では Freoの機能や実際の使用感を細かく紹介しながら、そもそもNarwalってどんな会社やねん?などについても解説していきます。ぜひ最後までお付き合いください。
「Narwal」ってどんな会社?
Narwal(ナーワル)は2016年に設立されたロボット掃除機メーカーです。本社は広東省にあり、スタッフは Microsoft や HUAWEI、DJIなどの出身者たちで構成されているのだとか。Narwal のロボット掃除機は「水拭き清掃」に強みがあり、それを武器に優れた製品を世界に向けてリリースしています。
2019年に世界初のモップ⾃動洗浄機能付きのロボット掃除機「J1」をリリース。2020年には「T10」がTIME紙の選ぶベスト発明に選出されると共に、エジソン賞(Edison Award)にてゴールドメダルを受賞するなど高い評価を受けました。群雄割拠のロボット掃除機業界で急速にシェアを伸ばしている企業です。
2022年の11月より遂に日本に上陸し、正式に販売を開始。満を持してリリースされたのが、今回紹介する「Freo」です。発売以降、既にEuropean Product Design Awardを受賞するなど、高い評価を受けています。
Narwal Freo レビュー
開封
兎にも角にも、冒頭のデカい段ボールを開けてみましょう。ドン。
中から出てきたのは Freo が梱包されているであろうハコと、Freo の充電ドッグ。さらにコレらを開梱して、中にあるものを見てみます。
水拭きが得意な機種なので、もちろんモップが付属。本体にセットされた状態で梱包されていましたが撮影用に外しています。加えて、モップを自動洗浄する際に使うクリーナー剤が同梱されているのが一風変わっています。
本体レビュー
掃除ロボットのスペックは以下の通り。
サイズ | 35 x 35 x 10.5cm |
重量 | 4.5kg |
吸引力 | 3000Pa |
バッテリー容量 | 5200mAh |
充電時間 | 約2.5時間 |
動作時間 | 180分 |
許容障害物高さ | 20mm |
ダストボックス容量 | 480ml |
モップ回転速度 | 180回/分 |
モップ加圧 | フローリング:7ニュートン タイル:12ニュートン |
動作音 | 掃除<63dB 水拭き<51dB 掃除&水拭き<57dB |
掃除ロボット本体は直径35㎝、高さ10cmと標準サイズ。カラバリはなく、ホワイトのみの展開となっています。
上面には電源ボタンが配置されているほか、NARWALのロゴが控えめに印字されています。本体上面からレーダーカバーがポッコリ出ている形状は、 ECOBACS社のロボット掃除機と似ています。
前方には赤外線センサーとバンパー、側面には充電用の電極と、壁判定用のセンサーが配置されています。
本体ウラには、本機の特徴である回転式のモップを2つ装備。拭き掃除ができる機種には床を撫でるだけのタイプが採用されていることが多いですが、こちらは回転式のモップなので高い拭き取り性能が期待できそう。
モップはロボット掃除機本体に予めセットされていましたが、ブラシは自分で装着する必要があります。
左右で分かりやすく色付けされているので間違えることはないでしょう。こういう細かいところが考えられていて、配慮に好感が持てますね。
本体上部のカバーを開くと、ダストボックスが取り付けられています。容量は480mlとやや小さめ。
ダストボックス上部は取り外しができるようになっており、中にはフィルターが。フィルターは使い捨てではなく水洗いも可能。HEPAフィルターを採用しているので、ハウスダストアレルギーの予防効果が期待できます。ルンバと同様の仕様ですね。
細かいですが、ダストボックス横にクリーニングブラシが収納できるのが素晴らしい。これ収納場所に困るんですよね。小技ですが、この手があったか、という感じ。
ステーションレビュー
ステーションは、言ってみれば「ロボット掃除機の基地」。ロボット掃除機はココで充電したり、ステーションの場所から自分の位置を割り出したりします。Freoはこのステーションに特徴と工夫があります。
まずはスペックから。
サイズ | 37x41.5x43.5cm |
重量 | 8.75kg |
水タンク容量 | 清水:4500ml 汚水:4050ml |
動作音 | 静音乾燥 < 39dB 強力乾燥 < 43dB モップ洗浄 < 64dB |
乾燥温度 | 40° |
定格動作電圧 | 14.4V |
定格出力 | 45W |
「デケエ!」と最初こそ驚いたものの、高さは43.5cmと他社のステーション付き機種と比較しても並です。奥行きがあるので圧迫感があるかな?と思いましたが、ロボット掃除機本体をスッポリ覆ってくれるので見た目が意外にもミニマルでオシャレ。部屋に置いた様子は後ほど紹介します。
Freoの他にない特徴その1は、ステーションに液晶ディスプレイがついていること。掃除機に液晶ディスプレイですよ。しかもタッチパネル搭載。ここから設定を変更したり、今の状況を確認したりすることができます。こちらについても後述します。
モニターつきの天板を開けると容量4.5リットルのタンクが2つ入っています。これはモップを洗浄するための貯水タンク。青い方にキレイな水を入れておくと、モップ洗浄に使った汚水は白い方に貯められます。
定期的に青いタンクに補水し、白いタンクに溜まった水を捨てる…という作業が必要になります。
使用準備
実際使ってみる!…の前に準備が必要です。まずはもちろん場所決めから。
設置の条件は「ステーション前方1mにはモノがないこと」ぐらいのものですが、なにせ高さがあるので置き場所は限定されるでしょう。高さ43.5cmですがカバーを開けて中のタンクが取り出せる必要があるので、余裕をもって70cmぐらいは見ておいたほうがいいです。
デスク下に収納するとスッキリするのですが、タンクが取り出せず断念。結局ポンと置いておくことにしました。デザインが良いのでゴチャつかないのが救いです。
Freoの他にない特徴その2は、床クリーナー剤を自動投入してくれること。先に紹介したクリーナー剤をステーションにセットすると、適量を自動投入して床洗浄時に使ってくれます。クリーナーは99.9%の細菌(大腸菌・黄色ブドウ球菌)を抑制してくれるとのことで、清掃クオリティがさらに高まります。
フタに貼ってあるシールを外し、ステーションの清水タンクを取り外したあたりに設置してセット完了。開封時に爽やかな柑橘が香ります。
クリーナーを取り付けたら、清水タンクに水道水を注ぎます。
使う場所から水道が近ければ楽チンですが、遠いと結構面倒かも知れません。汚水を捨てる必要もあります。ステーションの大きさや、水の補給/捨て先も考慮して設置先を考えた方が良さそうです。
あとはセットアップです。コンセントを差すとモニターが起動、NARWALのロゴが美しく浮かび上がります。う~ん、掃除機とは思えぬほど美麗な画質。加えて音声付きで、「ロボット掃除機をステーションにセットしてください」との指示があるので、言う通りにします。
映像と声でガイドしてくれるのでメチャ分かりやすい!セットアップ手順が非常にユーザーフレンドリーなのはハイエンド機の良いところですね。
Freoを使うにはアクティベーションが必要です。セットアップを進めると液晶にQRコードが表示されます。リンク先でメールアドレスを登録、送られてきたコードをステーションの液晶に打ち込むことでアクティベーションができます。
大抵の方は大丈夫だと思いますが、スマホがないとアクティベーションできません。セットアップにはアプリも必要になるので、iOS/Andoroid端末は必須です。
アクティベーションが終わるとアプリのインストールを促されます。アプリの指示に従っていればサクサク進みます。スマホとステーションのBluetooth通信が終わったらファームウェアのアップデートが走って、晴れてセットアップは完了です。
コレが終わればセットアップは完了。時間にして15分程度。こういうのに慣れていない方は少し戸惑うかもしれませんが、作法自体は特に難しいことなくスムーズです。
使用感レビュー
Freoを設置したのは我が家、一戸建ての2階部分。広さにしてだいたい45㎡ほどのフローリングを掃除してもらいます。
掃除モードには幾つかありますが、Narwalイチオシであろう「Freoモード」を使用してみます。状況にあわせた最適な掃除方法をFreoが勝手に考えて実行してくれる、いわば「おまかせモード」のような立ち位置のモードです。
ステーションから Freoモードを選択してタッチ。掃除を開始します。
余談。NARWALの本来のブランド名は「雲鯨(ユン ジン)」といいます。上画像はブランド名にもある「鯨」をモチーフにしたキャラクターで、ステーションの液晶やアプリでユーザーをナビゲートする存在として登場します。
ステーション内で1分ほど唸った後、満を持して発進!おそらくステーション内でモップへの補水などを行うために、ちょっとタイムラグがあるのでしょう。
さっそく掃除するのかな~と思いきや、部屋の中を縦横無尽に走り出しました。これ自体はロボット掃除機にはよくある行動ですが、Freoはこのときの精度が凄かった。初見であるはずの我が家を見回しながら、壁にぶつかることなくスイスイと軽快に走り回るのです。
散らかっている子ども部屋もこの通り、狭い隙間も縫うように走ります。繰り返しますが、Freoは初見でこの精度で部屋を見て回ります。今まで購入したロボット掃除機は壁にぶつかりながら学習していき、2度目以降からスマートに清掃するものが多い。Freoは初っ端から「段違いの賢さ」を見せつけてきました。これは期待できる。
Freoのアプリによると、2階部分45㎡のマッピングにかかった時間は3分48秒でした。早い…!実際に清掃する範囲は9坪(約29.75㎡)になるとも教えてくれました。ベッドやらイスやら家具ぶんの面積を差し引くとそれぐらいでしょう。当然ながらマッピング精度もかなり正確です。
マッピングが終わると一度ステーションに戻り、しばらくして再発進します。こんどは本格的に掃除するターンです。
Freoの他にない特徴その3は、Narwal独自開発の「テールスイング機能」。ご覧のようにお尻をフリフリしながら前進していきます。テールスイングすることにより、壁際までしっかりと拭き掃除が行き届きます。
拭き掃除の「水気」はバッチリ。ベチャッともせず、かといって乾きすぎもせず。絶妙なウェット加減で掃除していきます。モップの回転にテールスイングが加わることにより、さながら人間が雑巾がけをしているかのような拭き掃除クオリティ。これはすげぇ。
拭き掃除できるロボット掃除機が増えてきましたが、地面を撫でるだけの機種とは精度が違うことは一目瞭然。以前紹介した DEEBOT T8 AIVIでも満足していましたが、Freoの拭き掃除は次元が違いました。床掃除のクオリティを求めるなら、本機は筆頭にあがる機種になるでしょう。
拭き掃除のクオリティすごい!しかし結構頻繁にステーションに帰ってきてモップをキレイにしては、また出動していきます。賢いけど回数が多いような…?と思っていたら、Freoはモップの汚れ具合を自分で判定してステーションに戻っていたのです。賢すぎる…!恐ろしい子…!
つまり我が家のフローリングがそれだけ汚かったということ。事実、掃除を終えた後に汚水タンクの中身を見たら、かなりの汚れが!掃除機は毎日かけているのに…。拭き掃除の偉大さと、Freoの拭き掃除能力の高さを思い知らされる結果です。
作業時間は、初回の掃除で56分かかりました。ただし2回目は33分、3回目は27分と短くなっていきました。1度目の掃除はかなり床が汚く、念入りに掃除して時間がかかった。2度目以降は初回ほど汚くないので時間が短縮されていっている、ということでしょう。メチャメチャ賢く働いてくれています。
同じく、初回の掃除では汚水がビックリするほど大量に出ましたが、2回目以降はほんのちょっぴりでした。2回目以降の掃除なら、一度タンクを満水にしてしまえば5~6回程度は交換なしで清掃できそうです。
床の汚れ具合で掃除にかかる時間と汚水の量は大きく変わります。掃除が長い=床が汚れているということ。初回使用時はタンクの水も満タンにした方が良いでしょう。
掃除が完了するとFreoはステーションに戻ってモップを洗浄、そして自動で温風乾燥を開始します。モップが濡れたままにならないので衛生的で、嫌なニオイがすることもありません。
乾燥が終わったモップは使用後とは思えないほど白く、そして触ってもサラサラ。完全に乾いてます。う~ん気持ちいい。
ステーションから出る音を計測するとモップ洗浄では50~60dB、乾燥時は40~43dBほどでした。マンション暮らしでも夜動かして怒られることはないぐらいには静かです。とはいえ寝ている時にベッド脇でやられると少し気になるぐらいには音が出るので、ステーションの位置はここらへんも考慮した方が良さそうです。
アプリの完成度も高く、アプリからの掃除開始/終了指示、掃除開始/完了の通知、禁止エリアや部屋管理ももちろん搭載。巷のロボット掃除機が搭載している機能は一通り備えています。
少し変わっているのは床材の管理があるところ。部屋に使われている床材がフローリング/タイル/石の床を設定しておくことで、水拭き時の水の量やモップを押し付ける強さをコントロールしてくれます。部屋の一部に素材の違う床材が使われているような家では、素材にあわせたキメ細かい掃除をしてくれるでしょう。
メンテナンス性高し
その賢さもさることながら、Freoはメンテナンスのこともしっかり考えて設計されています。吸塵口はもちろん全て外してクリーニング可能。髪の毛が絡まりやすくゴミも詰まりやすい部分なので、こういう全部取り外せる設計はやっぱり有難い。
モップはマグネットで本体に取り付けられていて、少し力を入れれば簡単に取り外すことができます。モップがどこかに引っかかった時も、無理な力がかかったらマグネットが外れてくれるので安全です。ここらへんの思想はMagSafeと似通うものがありますね。
モップも簡単に外せるので、交換時もお手軽。パーツが細かく取り外せるので本体の清クリーニングもやりやすく、髪が絡まった!などトラブル時にも対応しやすいです!
まとめ
Freoは床掃除のクオリティでは右に出るものはいない一台でしょう。回転モップ+テールスイングを併用する拭き掃除は、人間に匹敵する清掃力です。床クリーナーも勝手に使ってくれますし、汚い個所を自動で判別してキレイになるまで拭いてくれる。極めつけはモップの自動洗浄&乾燥。拭き掃除についてはスキがなく、さすが高級機!という仕上がりです。
一方、吸引掃除は比較的普通。3000Paという吸引力は平均的ですし、ステーションにはゴミを集積する機能はありません。カーペットや絨毯ではモップを上げてくれる機能などはありますが、拭き掃除に比べると吸引力はやはり「平均点」といったところ。
つまりFreoは「拭き掃除に特化したロボット掃除機」ということ。一面カーペットや絨毯という場所では宝の持ち腐れになるでしょう。逆に床材がフローリングやタイルの場所はめちゃめちゃキレイに、そして衛生的に保ってくれます。広い面積を拭き掃除したい!という方には文句なくおすすめできる一台です。
高価やな~!と思ってたFreoですが、その賢さ・拭き掃除の仕上がりに感動!拭き掃除後のフローリングは、裸足で歩いた時の気持ちよさが違います。おすすめでっせ~!
本日はこれにて。最後までお読みいただき、ありがとうございました。