前回の記事で時計のストラップをオーダーした話の番外編。
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いやあ良いですオーダーベルト。この気持ち、皆さんにも味わってほしい。という訳で私が悩みに悩み、リストアップしていた名店たちをご紹介します。
ニーズがどこまであるかわかりませんが、いわゆる「BUNDがオーダーできる」ことを前提にピックアップしています。BUNDは [TYPE NATO PROTECTOR 2] とも呼ばれる、もともとはドイツ空軍が使っていたストラップで、ベルトに台座が付いていることが特徴。スポーツタイプの時計に特にシックリくる形状です。
おススメ店舗たちご紹介
さて、さっそく一店目から!
キャストプランニング EARNEST Gallery
私が購入に至ったお店です。実店舗は東京の下北沢にあります。
2003年に開業と、業界では比較的若いお店です。しかしSNSにアップしている写真や店頭に並ぶ品を眺めるに、クオリティは非常に高いと感じました。
そして他社と比べたときの価格差。ハンドメイドでありつつ圧倒的なプライス、なおかつDバックルが標準で、撥水加工が2000円で可能。ほかに欲しいものがたくさんあった私はイチコロでした。
ブランドバッグのレザーを再利用してのベルト制作など、幅広いオーダーに応えてくれる店舗です。
私はマットクロコダイルのBUNDを注文しましたが、取り扱いも豊富です。カウレザーやヌメ革、パイソンなどの素材を取り扱っています。
私見ですが、色々なお店にオーダーの相談をしてみて、お客のオーダーに最も柔軟に応えてくれそうなのはココだと感じました。もし他店で断られたカスタムの依頼などあったら、キャストプランニング様に一度相談してみるのが良いかもしれません。
購入したベルトのレビューは以下からどうぞ。
OME MINUTE GALLERY 山下時計店
チョー有名店ですね。渋谷の神宮前にある時計店です。
創業100年を数える老舗で、もともとは広島のお店ですが、現在は営業されていないようです(要相談となっています)。ファンがとても多い名店です。
アンティーク時計の品揃えとメンテナンスの品質には特に定評があり、ロレックスのアンティークなどが特に得意。世界に数本レベルのレアな逸品にもお目にかかれます。ドメスティックブランド NEIGHBORHOODとの親交があり、同ブランド店舗内で販売されているアンティーク時計たちは全て山下時計店のものです。
また、同店に依頼した革ベルトも過去に販売していました。かくいう私も過去に購入したことがあります。(汗でダメにしたのはコレです…)
山下時計店では[ジャンクロードペラン]というフランスの会社のオーダーシステムを利用することができます。台座付きの形状、つまりBUNDもオーダーできるのですが、実はコレは山下時計店のみの仕様となっているんです。つまりジャンクロードペランのBUNDはココでしかオーダーできません。うーんアツい。
その昔は6万円前半~半ばほどで買えたオーダーBUNDでしたが、2019年8月に問い合わせたところ76000円+税、とのこと。税込み8万円チョイにオーダー項目の追加料金、ということになります。品質が高く人気店だけあって、ちょっと値が張りますね。
株式会社粋商 × 松下庵 Go-one
粋商は1992年から東京でジュエリーやアクセサリー、輸入時計などを扱っている会社です。
女性雑誌などでの露出も多い一方、ギズモードとコラボしたapple watchのレザーストラップを展開するなど、柔軟な発想力がある会社です。トリッキーなことをしつつも、職人の技術をしっかりと活かしたモノづくりで品質には強い自信が伺えます。
こんなカラフルなBUNDにはお目にかかったことがありません。それでいつつも、このキメのある革。遊び心を備えつつもクオリティを蔑ろにしていません。
最高級であるナイルワニの革を使用。裏面はウレタンによる加工で汗の侵入を防ぎつつ耐久力を向上。ロレックスの純正尾錠を使用しており、ロレックスのスポーツタイプには特にピッタリの仕様となっています。
大体税込みで15~16万円となっていて、他社とは一線を画する値段設定。尾錠からもうかがえる通り、ロレックス専用雰囲気を醸しています。
さて、ここまで書いておきながらですが、Go-one自体は「松下庵」という東京の会社が請け負って制作しているもののようです。Go-oneのオーダー欄は見つかりませんが、松下庵ではオーダーを受け付けています。BUNDは56100円(2019年9月現在)とのこと。
ギャラリーを見ても分かる通り、他社とは異なるヴィヴィッド具合。それでいて限りなく上質。twitterを覗いてみても、デザイナーさんの個性が伺い知れます。
自分だけの個性的な一本を作りたいなら、いかがでしょうか。
fyah custom leathers
現在営業休止中のブランドですが、ココもBUNDを作っていたんです。とてもカッコよくて憧れでした。
↑ホームページも休止中です。
NEIGHBORHOODやUNDERCOVER、ナンバーナインやTMTなど、数々のブランドのレザー商品やスタッズワークを手掛けていた三上氏というデザイナーさんがいらっしゃいました。それまでは職人という立ち位置でお仕事されていたのが、自身で2011年に立ち上げたのが fyah custom leathers というブランドです。
fyah custom leathersは完全ハンドメイド、受注生産で、三上氏が一つ一つ作りこんでいく制作スタイルでした。一人でやっておられたブランドだったんですね。スタッズベルトなどはもちろん、BUNDも制作されていたのですが、3万円台という低価格で展開されていた記憶があります。買っておけばよかった…
2017年ぐらいまでは商品を見かけていて、いつか買おうと思っていたところ、最近は特に取扱店でも入荷がなく。ホームページもトップ画面だけになっていて、あれれ?と取扱店に問い合わせたところ、「デザイナーが怪我をして今後の生産が行えない状況」とのこと。非常に残念ですが、後継者となる職人が見つかるなどしない限り、受注/生産の予定はないそうです。
再開されたら絶対買います。復帰を期待しましょう…!
番外:クロノワールドのBUND
そんなBUNDばっかり勧められても、イマイチよくわかんないし…いきなり数万円も払うの無理!
という方。まずはお安く試してみたいな~という場合は、クロノワールドさんの耐水レザーBUNDがとってもおススメです。オーダーメイドでもなんでもなくてすみません…
クロノワールドさんはNATOストラップの国内唯一の輸入元。NATOストラップとはフェニックス社が製造&NATO軍が正式採用しているウォッチバンドのことで、引き出し式のシンプルなナイロンストラップです。
そんなクロノワールドさんが提供するBUND。中途半端なモノを提供するわけはありません。一番の大敵である水気も、耐水レザーでバッチリ。オーダーメイドで作る前に、まずは安価で高品質なものを使って、自分がどういう機能を欲しているか、一度考えてみるのも良いかもしれません。
こういうことがやりたいなあ…とか、普段の腕時計ではこういう不満がある、とか、何か腕時計に対して「求めること」がなければ、別に既製品を使っていても問題ありません。
私はとにかく「ワニ革のBUNDで最高品質のものが欲しい!ステッチも裏地も黒で、できれば耐水加工で長く使える」というオーダーで探しました。とにかく「何かしたいこと」があれば、お店に相談して対応してもらえるか、そして対応する費用はおいくらになるのかの話になります。
何はともあれ、実現したいことがあるなら、目を付けたお店に相談してみることが第一歩です。体よくあしらわれるようなら、そのお店の質も推して知るべし。お客様のことを考えてくれる会社ではないでしょう。
皆様のよりよい一店、一品が見つかることをお祈りしております。