最近は出張も増え、出先でキーボードを持ち運ぶ機会が増えてきました。長らく愛用しているHHKBは持ち運び用にして、在宅勤務用に新たにキーボードを新調。いろいろ吟味した結果、REALFORCE R3 (R3HD11) に落ち着きました。悩んだ甲斐あって、納得の使い心地です。
本記事では REALFORCE R3を開封レビューしつつ、R3を使うメリットとデメリット、R3を使うとどういうことができるのか?REALFORCEの他機種とは何が異なるのか?どういう人に向いているか?などについて詳しく紹介してきます。
REALFORCE R3 (R3HD11) レビュー
さっそくメリットとデメリットから。それぞれ後ほど詳しく解説します。
イマイチ:
高価!
デザインはややヤボめ
重い&大きい
非充電式(乾電池)
「REALFORCE」は東プレ株式会社による高級キーボードブランド。静電容量無接点方式による打鍵感の良さに定評があり、セブン銀行のATMにも採用されるほどです。
開封!
何はともあれ開封してみます。ドン。
本体レビュー
REALFORCE R3は2色展開で、今回はブラックをチョイス。他にアイボリーのラインナップがあります。自宅の机は広くないので、フルキーではなくテンキーレスタイプ。キー荷重は45gですが、どれを選んでも外見に違いはありません。
サイズは163mm x 379mm x 39mmと、他社のテンキーレスと比較すればやや大きめ。重量は1.3kgとノートパソコンほどの重さがあります。持ち歩いて使おう!と思えるような重さではないです。ここらへんが使い勝手にどう影響してくるのか?後ほど紹介します。
キートップはサブリメーション(昇華)印刷。キーの樹脂自体にインクが染みこむ形で印刷されているので、表面が削れたりしないかぎりは印刷が消えません。よく使うキーは印刷が剥がれたりしますが、そんな心配は無用。HHKBなどにも採用されてる印刷手法ですが、高級キーボードの魅力の一つです。
本体前面右上には電源スイッチ。電源オン/オフ、キーレイアウトの有効面切替えには電源ボタンを使用します。その脇にはLEDインジケータがあり、場合によってペアリングの状況や電池残量の確認、APC設定の状態などが確認できます。
背面には USB Type-C端子が1つ。PCと繋いで有線接続できます。有線接続時は電池がなくても接続可能。R3は充電池を内蔵しているわけではないので、有線接続による充電機能はありません。
背面には製品番号とシリアルナンバーが書かれたステッカーが中央に。キーボードの角度調整ができるキックスタンドが両サイドに。そして単三電池を2本入れる電池ボックスがあります。
「長く使えるように」との配慮からリチウムイオンバッテリーをあえて避け、交換可能な乾電池式を採用しているとのこと。個人的には充電式が良かったけど、電池無かったら有線で接続すればいいので弊害はほぼありません。
スタイリング&セットアップ
デスクに置いたところ。テンキーレスなので多少スッキリは置けていますが、それでもHHKBと比較すると「大きいな」と思わされます。ミニマルデスクが好きな方、コンパクトなキーボードを欲している方にはイマイチかも。
キートップやパネルデザインはシンプルながら質感高いです。昔ながらの素材感ながらも、ダークグレーとブラックのツートンがオシャレ。特にキーの炭色、と言うんでしょうか。なんとも言えないシボ感がある質感がカッコいいです。
REALFORCEは2000年代前半に熱狂的な人気を博し、今に至るまであまりデザインが変わりません。武骨な、悪く言えば少し野暮ったいデザインも昔のまま。若い頃はアイボリーのみの展開だったので、ダークグレーが新鮮で嬉しいです。
セットアップといっても、電池入れてBluetooth接続するだけ。初回接続時は電源スイッチを長押し(1秒以上)すると自動的にペアリングを開始するので、PC側からBluetooth接続するだけです。
ペアリング方法:
使用する機器を追加する場合は、R3の電源が入った状態で [Fn]+[P] 。ペアリングモードに移行し LEDインジケーターが青色に点滅したら、[Fn]+[1~4までの数字キー]。つまり4台まで接続機器を登録することができます。
使用感レビュー
セットアップができたので、さっそくポチポチ… んん!んんん!
キーの押し心地はまさに「極上」の一言。打鍵感はしっとりとしていて、スコスコと小気味よくキーが沈む感じ。クリッキーでもタクタイルでもないんですが、ちゃんと押し心地があって、指に跳ね返る力が気持ちいい。文章を書いてるだけで楽しくなるような打鍵感です。
キー荷重は悩みました…。30gの打鍵感の軽さは魅力的でしたが、私のタイピングの問題か、ミスタイプが多くなる傾向がありました。多少反発がある方が私はタイプしやすかったです。近くに取り扱い店舗がある方は、実際試すのが一番いいでしょう。
静音性は高く、カチャカチャというような打鍵音は皆無。静音性に優れた HHKB Professional Type-Sと比較しても静かに感じます。静音性を求めている方には、REALFORCEは太鼓判。
チャタリングを防止する機構が搭載されていることもあってか、ミスタイプも少なくなります。打ちやすいキー配置・キー反発も手伝って、デスクワーカーにはまさに「最高の仕事道具」といったところです。
REALFORCEには「REALFORCE CONNECT」というアプリが用意されています。機能は色々ありますが、目玉はAPC(アクチュエーションポイントチェンジャー)機能。キーを押して反応する深さを調整できる機能で、0.8mm/1.5mm/2.2mm/3.0mmから選択することができます。しかもキー別に設定可能です。
デフォルト設定は2.2mm。0.8mmにすると指を軽く乗せただけで反応するほどになります。色々試しましたが、私は1.5mmがしっくりきました。REALFORCEのキーボードを購入したら、かならず確認を。
他の東プレ製品と同じく、R3HD11もシンドリカル・ステップ・スカルプチャー構造。中央が凹んで(シンドリカル)階段状になっており(ステップ)湾曲している(スカルプチャー)キーボードの構造です。これによりホームポジションから最小限の動きで、ミスの少ないタイピングをサポートします。
パームレスト必須!というレビューを見ていましたが、手が大きい私には不要でした。ただスタンドは立てた方が、一番上の列が押しやすく感じました。長く使っても手が 疲れにくいです。
手にした第一印象は「重ッ!」でした。HHKBは位置を手軽に動かせましたが、REALFORCEは「どっこいしょ」という感じ。気軽に持ち歩こう、という感じではありません。
ただ打鍵しているときの安定感はとにかく抜群。ズレたり動いたりは皆無。どっしり腰を据えてタイピングできます。半分私見ですが、この重さが打鍵感の小気味良さを助長してる気がします。打ち心地はあくまで軽いけど、土台がドッシリしているから打鍵感がしっかりある印象です。
大きさについては、テンキーレスとはいえ大きく感じます。HHKBの後なのでなおさらかも。幅があるので、右手がマウスから遠くなるのも少し気になります。
細かいことをツラツラと書いていきます。
Bluetoothの接続があまり宜しくない、という評判も聞きましたが、私の環境では全く感じません。機器切替もサクサクです。4台に接続できるというのはやはり便利。仕事/プライベートの切り替えがスムーズです。
電池の持ちが悪い、という評判もありますが、こちらも「そう?」という感じ。一般的なアルカリ乾電池を使用して3カ月程度持ちます。スリープモードに移行しない設定にすると2週間足らずで電池切れになったので、省エネ設定次第だと思いました。
また、R3は全キー同時押しとNキーロールオーバーに対応。Nキーロールオーバーはどんなにガチャガチャとキーを押しても、順序通りに入力してくれる機能。「そんなの当たり前じゃん?」と思うなかれ、安いキーボードは非対応のものが殆どです。同時押しやガチャガチャ押しまくっても正確に入力を反映してくれる正確性は、ゲーミングキーボードとしての用途にも向いています。
HHKBと比較して思ったのは、ゲーム用途には断然REALFORCEの方がいいということ。これは意外でした。ゲーム用途にも使いたいなら、キー荷重は誤操作に繋がりにくい45gがおすすめです。
まとめ
REALFORCE R3はとにかく打鍵感が素晴らしく、タイプがしやすいキーボード。「最高の仕事道具」ながらも、ゲーミング用途としてもオススメできる完成度の高い一台。日本に訪れた海外旅行客がわざわざ買っていく、という評判にも頷けます。これがメイドインジャパンなんだから、なんだか嬉しいじゃないですか。
先述のように、カラーはアイボリーとブラックの2色展開。キー荷重は 30g/45g/変荷重の3種。キー数はフルキーとテンキーレスの2種展開。そして日本語/英語配列。つまり2×3×2×2の24種類展開。カラー/キー数/配列は見ずとも、キー荷重だけは触ってみないと分からないので店頭で試打がおすすめです。
最高のキーボードですが、難点の一つは価格。しかもなかなかセールがかからず、ほぼ定価販売です。ビックカメラですらポイントは1%。シブい…!しかし朗報、定期的にAmazonで10%セールがかかります。私が購入した時は10%オフ&ポイント2%で、実質32,000円チョイで買えました。お安く手にしたいなら定期的にチェックをば。
かな印字ナシモデルがあることに、買った後気が付いた…。こっちにすればよかったかも…。
打鍵感が良いってだけでタイピングが楽しい!タイプが早くなる、ミスタイプが無くなるなどのメリットも勿論ですが、一番のメリットは「打ってて気持ちいい」ところだと思います。
今回はこれにて。最後までお読みいただき、ありがとうございました。