高級キーボードブランド REALFORCE から、待望のコンパクトタイプが発売されました。その名も 【REALFORCE RC1】。REALFORCEといえば最高の打鍵感とデカいボディ、やや野暮ったいデザイン、という印象でしたが、今回はガラリと刷新されています!
本記事では REALFORCE RC1を開封レビューしながら、肝心の打鍵感はどうなのか?従来のREALFORCE製品とはどう変わったのか?メリットとデメリットは?などについて詳しく紹介していきます。
REALFORCE RC1レビュー
まずは REALFORCE RC1の良い点・悪い点を列挙します。それぞれ後ほど詳しく説明します。
イマイチ:
高価!
「かな印字なしモデル」無し
開封
前提はこれぐらいにして、さっそく開封します。ドン。
今回購入したのは【日本語配列・キー荷重45g】。キー荷重は他に30gがラインナップされていて、変荷重の設定はなし。カラーバリエーションはまだ展開がなく、一色のみの展開です。
こちらが REALFORCE RC1。何度だって言いますが、これがあの REALFORCEとは信じられぬほどコンパクト。サイズは130 x 295 x 39mm、重量は0.6kgと片手で余裕です。従来のREALFORCEと比較してサイズは70%、重量は50%以下までコンパクトになっています。
キー配列はクセ少なめ
キーレイアウトは標準的。テンキーレスでコンパクトながらも、Function キー、方向キーを搭載しているのが特徴。特にFキーの搭載はHHKBと大きく方向性が異なりますね。日本語配列だと、右側のレイアウトにやや窮屈さが見られます。右Altとアプリケーションキーはありません。右Shift が[ ↑ ] の右隣になっているのはHHKBと一緒です。
左側は一般的な日本語配列キーボードと同様なので、キーレイアウトをイジらなくても馴染む人が多そうです。HHKBと比較すると一般的なキーボードに近い、クセの少ないレイアウトだと思います。
スペースキーをもう一声小さくしたりkanaキーと右Ctrlを小さくすれば、右Altも入ったのでは?と思わなくもないですが、細かい話。全体的には使いやすくまとまってると思いました。
祝!充電式!
本体装備をじっくり見ていきます。
背面には USB Type-C 端子が1つ。有線接続ができることは価格帯的には当たり前ではあるですが、特筆すべきは乾電池式でなくバッテリー式であるところ。REALFORCEやHHKBは頑なに乾電池式を守ってきましたが、このたび初めて充電式が導入されました。めでてぇ!
「電池式の方が超寿命。出先で電池が切れても買えばいい」という考えから乾電池式が続いていましたが、ついに充電式に!理念は分からんでもなかったですが、個人的には電池交換の手間がなくなって普通に嬉しいです!
小型モデルながら全部入り
裏には型番、シリアルナンバーなどを記載したシールと、キックスタンド。ここらへんは他のREALFORCE製品と同じですね。
サイドから。キックスタンドを立てるとこれぐらいの差が出ます。他の東プレ製品、高級キーボードたちと同じく、RC1もシンドリカル・ステップ・スカルプチャー構造が採用されています。
シンドリカル・ステップ・スカルプチャー構造
中央が凹んで(シンドリカル)階段状になっており(ステップ)湾曲している(スカルプチャー)キーボードの構造。ホームポジションから最小限の動きで、ミスの少ないタイピングをサポートしてくれます。
右側面、奥のほうに電源ボタンを配置。電源のON/OFFのほか、電源ON時にチョイ押しすることで接続中のスロットを確認することもできます。
キーキャップは、他のREALFORCE機種と同じく「昇華印刷」でプリントされています。樹脂自体にインクが染み込んでいるので、摩耗しない限りは文字が消えません。素材には摩耗しにくいPBT素材を採用しているので、よほどのことが無い限り印刷は消えることはありません。ヘビーデューティーな作りです。
しかし2024年11月現在で「かな印字無しモデル」は未発売。かな印字なしにするには、別売りのキートップを買わなければなりません。キーボードも高価なのに、更なる出費!かな印字無しモデル、発売してほしいですね…。
別売りのキートップも購入したので、後ほど紹介します。完全に東プレの手のひらの上です。
LEDインジケータは一つだけなので、点滅のパターンや色などでステートを判断します。キーとキーの間に隠れるように配置されているので、見た目を崩さずかなりミニマル。やっぱ今回のREALFORCEは一味違います。
青・緑・黄色・オレンジ・赤・水色・白と、表現できるカラーはかなり多いですが、正直覚えられません。バッテリー系のアラートが赤、ということだけ覚えてりゃ何とかなります。
使用感レビュー
開封したときに「初回使用前に絶対に充電せよ」というような結構強めの注意書きがあったので、まずはしっかり充電しましょう。
バッテリーのスタミナは満充電から約一カ月。使っていて不自由に感じたことはありません。やっぱりバッテリー内蔵型は便利!充電時に電池を取り外さなくてよいだけでストレスが皆無です。
安心してください、このサイズになっても打鍵感はしっかりREALFORCEです。愛好者でも満足できる打鍵感にキッチリ仕上げてくれています。スコスコという小気味のいい打鍵感は、ちゃんと静電容量無接点のそれ。しっかりこんなに小さくなったんだな~と改めて実感!普段使用しているR3と比較しても、勿論遜色ありません。
キー配列については先述のようにクセが少なく、比較的慣れやすいと思います。ノートPCの配置に近い感じ。右Altが無いことは気になる方がいるかもしれませんが、私個人で言えば使用頻度が少ないキーなのでほぼ気になりませんでした。
右Shiftなどはやや慣れが要りますが、HHKBと同じ配置なので使ったことがある方ならすぐ手に馴染むと思います。後ほど大きさやキー配列を比較しているので、そちらも参考に。
Fキーが独立している小型キーボードは珍しいですが、これって最適解なのでは?という印象。私はショートカットキーを良く使うし、ゲームでもFキーが必要なものがちょくちょくあるので、Fnキーを同時押しせず独立しているのは歓迎。もうFキーのないキーボードに戻れねえです…。
REALFORCEのアプリ「REALFORCE CONNECT」にも、もちろん対応。APC(アクチュエーションポイントチェンジャー)機能を使えば、キーを押して反応する深さを調整可能。0.8mm~3.0mmの間、0.1mm刻みで選択することができます。デフォルトは3.0mmで設定されています。
個人的には1.5mmがしっくり来てます!他にもファームウェアがアップデートやキーアサインが変更できたりと、最近のREALFORCEには必須のアプリです。必ずダウンロードを。
HHKBやNizのような小型キーボードの利点は色々ありますが、一つに「テーブルがスッキリする」ことが挙げられます。いやあ、やっぱり広い。ミニマルなデスクにしたいときいは REALFORCEって選択肢に入りにくかったのですが、RC1の登場によって一躍名乗りを上げた形になりました。
REALFORCEを知る人にとっては70%サイズの登場は超!ビッグニュースでした。買わずにはいられなかった…。打鍵感最高&バッテリー内臓で、おすすめ小型キーボードの筆頭になりました。ビバ!
他の REALFORCEシリーズと同じく、RC1は全キー同時押しとNキーロールオーバーに対応しています。同時押しやガチャガチャ押しまくっても正確に入力を反映してくれる正確性は、ゲーミングキーボードとしての用途にも向いています。有線接続すれば遅延はほぼ無くなるので、小型のゲーミングキーボードとしても優秀です。
60%タイプのキーボードはFキー無しが殆どですが、ゲーミング用途としては痛いところ。その点 RC1は コンパクトながら全部入り。ミニマルなゲーミングキーボードを欲している方には最適の一台かも。
HHKBはその小ささから、ノートPCのパッド部分にキーボードを乗せて使う…というスタイルで使うことができました。が、RC1は奥行きが長いぶん最下段のキーに干渉してしまい、ちょっと難しそうです。デメリットとまでは言わないものの、このスタイルで使おうかと検討している方はちょっと注意です。
HHKBとの比較
先ほどから本文中にもちょくちょく書いてますが、対抗馬はやはりHHKBでしょう。両者を簡単に比較してみます。
幅も厚みもほぼ同じですが、最も異なるのが奥行き。RC1の方がFキーがある分、1cm長くなります。HHKBは電池カバーが出っ張っているので数字的には大きな違いはないものの、写真で比べてもわかる通り印象的には RC1が一回り大きいです。
Fキーの必要性については「用途と人による」としか言いようがないですが、ショートカットを良く使うならあった方がいいでしょう。コントロールキーや E/Jキーの有無など、キー配置変更をしなくても違和感なく使えるのも RC1のメリット。日本語キーボードとしての完成度は RC1の方が上だと思いました。
充電式になったことで使い勝手は RC1が大きくリード!一方、デザイン面はやっぱりHHKBの方が好きかも…。RC1の方が良くも悪くも武骨な印象。ちょっとした差ではあるんですけどね。
RC1とR3の比較
今度は REALFORCEの代表機、R3と比較してみます。
もう大きさが全然ちげぇ。先に書いた通り 70%の大きさとのことですが、もっと小さくなったように感じます。REALFORCEを省スペースで使いたいなら、もう有無を言わさず RC1でしょう。逆に安定感を持って使いたいなら R3がおすすめです。
打鍵感はほぼ同じものの、打っているときの「静音性」はR3に分がある印象。RC1は何というか少し響く感じがあります。RC1の軽量さに起因しているものと思われるので、ここは小型化の弊害と言えるかも。とはいえ、これは横に並べて分かる程度の違い。どちらも打鍵感は極上で、打っていて気になるレベルではありません。
サイズは 70%減ですが、機能はほぼそのまま。やはりこの比較においても充電式になったメリットが光ります。電池を交換する手間が無いって素晴らしいです。
キーキャップを変更!
しばらく標準状態で使おう…と意気込んでいたものの、やっぱり耐えられませんでした。かな印字、無い方がいいよね。ということで REALFORCE 公式ストアからキーキャップを購入しました。4,840円なり。さすが昇華印刷、キーキャップだけで値が張ります。
購入したのは日本語配列(57キー)タイプ。カラバリは【ダークグレー/スモーキーライラック/ダークブルー/ダークモーブ】がありますが、スタンダードにダークグレーを選択しました。
REALFORCE RC1は標準では【ダークグレー/グレー】のツートンカラーですが、このセットを使うことで【ダークグレー統一】にすることができます。キープラー(キーを外すツール)も付属しているので、届いたらすぐに付け替え可能です。
こちらが付け替え後。全体がグレー一色になり、かな印字も無くなりました。統一感が出て、よりミニマルな印象に。とりあえず、かな印字があって落ち着かない状態は脱しました。このキーキャップ、RC1発売後からちょくちょく品切れになったりするので、お求めの方は見つけた時に購入しておくのがオススメです。
「グレー/ダークグレーのツートンカラーを維持したまま、かな印字を消す」方法が無いのがちょい難。デザインとしてはツートンの方が好きなので、ダークブルーあたりのカラーリングも試してみようか画策中です。
まとめ
「REALFORCE から小型キーボード登場!」と鳴り物入りで登場した RC1。70%の小型化ながら、打鍵感はしっかりREALFORCE。昇華印刷やシンドリカル・ステップ・スカルプチャー構造、全キー同時押しとNキーロールオーバーにも対応した全部入り。ファンも納得のクオリティに仕上がっています。
小型モデルを欲していた愛好者には待望のキーボード!小さいながらもしっかりREALFORCEで、ファンには堪らない使い勝手です。個人的には充電タイプになったのがマジで嬉しい!
RC1は【日本語配列/キー荷重 30g】【日本語配列/キー荷重 45g】【英語配列/キー荷重 30g】【英語配列/キー荷重 45g】の4種をラインナップ。お好みでどうぞ。
先述のように、「かな印字なしモデル」は未発売なので、かな印字を無くそうと思ったら別売りのキーキャップを購入する必要があります。こちらは【22キー/25キー/56キー/57キー】の4種に加え、【ダークグレー/スモーキーライラック/ダークブルー/ダークモーブ】の4カラバリをラインナップ。
私もキートップは購入予定なのですが、カラーで迷いに迷ってます。順当にダークグレーか、でもダークブルーもカッコいい。ダークモーブも捨てがたい… 購入したらまたレビュー致します!
今回はこれにて。最後までお読みいただき、ありがとうございました。