2022年8月:3カ月使ってみた感想を追記
最近は隔年でリリースされている SONY の高級ワイヤレスヘッドホン、WH-1000XMシリーズ。自然ながら強力なノイズキャンセリング性能が人気で、発売のたびにオーディオ界隈を賑わせています。
この5月には待望の WH-1000XM5 を発売。さっそく購入し試してみました。本記事では WH-1000XM5 を開封・実際に使用してレビューしつつ、旧モデルと比較して何が進化したのか?買うならどちらか?などを解説していきます。
開封
さっそく開封してみます。ドン。
・WH-1000XM 本体
・ケース
・USB Type-C ケーブル(USB-A to C)
・ヘッドホンケーブル
・取り扱い説明書、保証書
WH-1000XM4 までは付いていた 航空機用プラグアダプターの付属が、本機から廃止。あっても使わなかったし収納場所にも困ってたので英断だと思います。
本体のモデルチェンジより先に目立つのは、外箱の仕様変更。カッチリした化粧箱が4世代続いていましたが、本機から大きく雰囲気が変わっています。再生紙を使った自然な風合いの外箱に、商品の写真がプリントされたラベルが巻き付けられています。
同じくSONY製品であるノイズキャンセリングイヤホン「WF-1000XM4」と同じパッケージングになりました。
本体レビュー
WH-1000XM~XM4 まで踏襲されていたデザインが、XM5 では大幅に刷新。ややメカメカしいデザインから、全体的に継ぎ目のないミニマルなデザインにチェンジ。ハウジングも卵型から、やや細長い楕円に変更されています。
初見は「前の方が良かったな」と感じたものの、すぐに慣れました。今度は逆に旧モデルが古臭く見えるように。何でも新モデルが出たときってそんな感じですね。
充電ポートが USB Type-Cであること、左のハウジングにイヤホンジャックが配置され、ボタンインタフェースが集中していることなどは旧モデルまでと同じ。ハウジング自体がタッチセンサーコントロールパネルになっている仕様も、もちろん本機でも踏襲しています。
一見同じに見えて、充電性能はかなり向上。USB PD充電に対応し、3分の充電で約3時間再生可能になるなどパワフルなリチャージ性能に進化しています。
イヤーパッドが独特な肌触りに変化。シリコンのような、サラサラとしながらもモッチリしています。ソフトフィットレザーと呼ばれる合成皮革の一種だそうですが、XM4までのイヤーパッドとは大きく異なります。またイヤーパッド内部にあった、耳の形状や位置を調べるセンサーが廃止されています。
あれ、イヤーパッド内部を清掃するときに入り組んでてイヤやな、と思ってたので、廃止は個人的に結構うれしいです(掃除厨)。
折りたためなくなった!
デザインが一新されたことに伴い、本体が折りたためなくなりました。上の画像のように、XM4に比較するとやや携帯性が損なわれているのが判ります。空間に無駄のない感じが好きだったので、少し残念ですね。
せめてもの慰めか、付属のケースに折り目が入っており、押し潰してコンパクトに収納できるようになっています。とはいえこの機構はヘッドホンを収納しているときには使えませんし、潰すのもまあまあ力が必要。工夫はありがたいですが、まあ恩恵に預かることはあまりなさそうです。
使用感レビュー
実際に使った感想を書いていきます。
着用感は「カッチリ」
筆者はアジャスタは伸ばさず、一番短い状態でフィット。私は比較的アタマが大きい方なので、頭が小さい方には合わないのでは?と思い、妻と子(7歳)に試してもらいましたが問題なしでした。万人にフィットしやすい形状のようです。
イヤーパッドがやや硬めなことも影響してか、旧モデルに比べると「カッチリ」した着用感。XM4 までと比較して側面の押し付けが、ほんのり強め。今はすっかりフィットするようになりましたが、使い始めて1週間ほどは少し気になりました。私と同じようにドタマのデカい諸兄は、少しご覚悟を。
イヤーパッドの着用感は上々、密閉性が高いので旧モデルと比較すると遮音性がアップしている印象です。代わりにやや通気性が悪くなりましたが、密閉性とのトレードオフですね。
音質・ANCはピカイチ
肝心の音質は「さすが」と言う他なし。旧モデルである WH-1000XM4 も音質は良好だったものの、ANCヘッドホンにありがちな籠った感じがイコライザーで調整しても抜けませんでした。それが WH-1000XM5 でかなり改善、とくにアプリのイコライザーで調整する(後述します)ことでさらに良くなりました。
XM4 と比較してクッキリした音なので、逆に言えば中高音のエッジが目立つ味付けとも言えます。低音の再現性は議論の余地なく XM5 に軍配ですが、中高音については聴く音楽のジャンルや、音の好みに影響されそう。
個人的な好みで言えば、クッキリしたエッジィな音が好物なので XM5 が好み!マイルドで優しい味付けが好きな方は XM4の方が良いかもです。
ノイズキャンセル能力は正当に進化しています。モデルチェンジのたびに「これ以上、進化の余地があるのか?」と思わされますが、今回もやはり同じ。さすがの性能です。XM4と比較して、より耳への圧迫感を感じない自然なキャンセリング。これを試した後に XM4 を聴くと、少し違和感があるほどです。
先述のイヤーパッドの変更により遮音性が高まっていることも影響して、音楽鑑賞中は外音はほぼ聞こえなくなります。ちょっと身の危険を感じるほど何も聞こえなくなるので、着用して外出する際はアプリでの調整をお忘れなく。
Bose Headphone 700 や AirPods MAX と比較しても、明らかにアタマ一つ抜けた性能です。現時点ではノイキャン性能で選ぶなら WH-1000XM5一択になりました。
今回もアプリ必須
アプリが無くても使えますが、ほぼ必須。接続と同時にさっそくアップデートが走りました。安定性向上などのアップデートは多いですし、アプリ以外のアップデート方法はSONYに本品を送ることなので、素直にアプリを使った方が良いです。
先述のイコライザですが、本機は恩恵がこれまでより大きい気がします。XM4 まではどれにしたところでウ~ン?とシックリこない感じでしたが、今回は「おお、どれも結構ええな」となりました。低音をブーストしても、ビビりもなくキレイに出ます。本機は音の処理が本当に上手い。
おすすめは「Bright」。中高音の解像度が高い本機に、特に合っています。ピアノの曲などを聴くと、静かさと音の美しさが際立つ。お試しあれ。
地味にマイク性能がアップ
XM4 の不満として、オンライン会議で使っていると周囲の音を結構拾ってしまっていました。XM5 ではマイクが大きく進化。マイク数が倍増したうえに「AIを使った高精度ボイスピックアップテクノロジー」を採用。かなり通話品質が良くなっています。
実際にZOOMで使用して、通話相手によると「今までで一番クリア」とのこと。有線のゲーミングヘッドセットなどいろいろ使ってきましたが、まさかXM5の方がマイク品質が高いとは。一般的にマイク品質は有線の方が有利なものですが、技術も進化したものです。
在宅勤務のヘッドセットとしてはかなり優秀!有線ヘッドホンに匹敵する通話品質、かつワイヤレス。一番おすすめの使い方は「オンライン会議」かも…!
追記:3カ月使ってみての感想
購入して3カ月。気に入らなかったら売ろうっと!と思っていたのも今や昔、在宅勤務では比類なき力を発揮するので手放せず。毎日一緒に働いています。使い心地はすこぶる良いです。やはりノイキャン能力とマイク性能の向上が大きい。
3カ月使って気になったのは、バッテリーの持ちの悪さ。XM4は「いつ充電したっけ?」というぐらい使えてましたが、XM5は「あれ、もう無くなったの?」と思うことがしばしば。電池持続時間は変わってないのに不思議です…?
WH-1000XM5 と XM4、どっちが買い?
ノイキャン性能、音質、マイク性能など XM4から正当進化を遂げたXM5ですが、欠点はとにかく高いこと。xm4から5000円ほど値上がりし、実売価格では1万以上の開きがあります。
正直言って、コスパを求めるなら XM4 です。XM5は進化を遂げているものの、XM4を持っている人は絶対買い替え!というほどでは無い。XM4 は(実質)現時点でもかなり高性能で、2万円後半(実質)で買えるヘッドホンとしては異次元です。
性能を求める方は XM5、コスパ重視なら XM4、既にXM4を持っているならステイが良いでしょう。オンライン会議で使うならマイクが進化した XM5 がおすすめ!
コスパ高し WH-100XM4
本日はこれにて。最後までお読みいただき有難うございました。