SUUNTO様から ハイエンド骨伝導機 SUUNTO WING をご提供頂きました。SUUNTO WINGは耳を塞がないオープンイヤーヘッドホンで、周囲の音を聞きながら高音質のサウンドを楽しめる… という触れ込みで販売されているガジェットです。
本記事ではこの SUUNTO WINGを開封レビュー&紹介しながら、他の骨伝導イヤホンと比べて何が良いのか?骨伝導ヘッドホンの雄である Shokzとの違いは? SUUNTOってどんな、どこの会社なのか?など詳しく紹介していきます。
SUUNTOについて
SUUNTO(読み:スント)はフィンランドに本社を置く精密機器メーカーです。創立は1932年とかなりの老舗で、液体封入式コンパスを発明した会社でもあります。スポーツウォッチやダイビング製品、軍用の計測機器などを開発/生産しています。
ランニング用・サイクリング用のGPSウォッチを長らく作ってきたメーカーとして、ガーミンと並んで有名なのがスントです。野外向けコンパスやダイビング計器で地盤を築き、アクティブ派向けのスマートウォッチで高い評価を得ています。
SUUNTOは由緒ある老舗メーカーですが、ヘッドホン分野への参入は2023年末とかなり最近。アウトドアへの強みを活かした防水防塵スポーツヘッドホンとのことで、期待が高まります!
SUUNTO WING レビュー
開封
何はともあれ開封してみます、ドン。
おお、なんかスゲェおしゃれだ。最近オシャレなパッケージングのガジェットに慣れてきたとはいえ、やはりちょっと一歩上を行く印象。緩衝材の紙質までオシャレに拘っています。
さらに展開してみます。
今どきのガジェットに珍しく、こまごまと付属品があります。ヘッドホン本体とは別に、充電器が付属しているのが大きな特徴!後ほど詳しく説明します。
イヤープラグ同梱なのが「ああ、骨伝導ヘッドホンなんだな」と再認識させてくれます。耳孔を塞いでも音楽が聴けるよ、ってことですね。保管バッグは単なる巾着袋なので保護性能はあまり期待できそうにありません。
本体レビュー
先に書いた通り、SUUNTO WINGはオープンイヤーヘッドホン。骨伝導のテクノロジーを使って、耳孔を塞がなくても音楽や通話が楽しめるデバイスです。本体カラーは「ALL BLACK」と「LAVA RED」の2色展開で、今回ご提供頂いたのは LAVA RED。LAVA(溶岩)のような鮮やかな深紅が差し色として使われています。
簡単なスペックは以下の通り。
ヘッドホンタイプ | オープンイヤーヘッドホン |
サイズ | 102.5 x 126.5 x 46.5 mm |
重さ | 33 g |
耐水設計 | IP67 |
充電時間 | ヘッドホン:≧1 時間 |
電源バンク:≧1.5 時間 | |
再生時間 | ≧10 時間 |
(電源バンクで使用) ≧30 時間 | |
(LEDオン)≧4時間 | |
対応プロファイル | A2DP, AVRCP, HFP, HSP |
Bluetooth ver | 5.2 |
そのほか | デュアルデバイス接続 |
ヘッドジェスチャーコントロール | |
LED制御 |
赤くペイントされているのはトランスデューサーの部分で、ココを耳の前に当てる感じで装着することになります。イヤーフックは軽量で頑丈なチタン合金が採用されています。
骨伝導ヘッドホンの先駆けとしてはShokz(旧AfterShokz)が有名です。先に書いてしまいますが、この SUUNTO WINGは Shokzの製品によく似ています。トランスデューサーの色が赤でなければ遠目には気づかないでしょう。後ほど2つのメーカーのヘッドホンを比較してみます。
両サイドにはLEDが広めに配置されています。これはインジケーターの役割を果たすほか、アプリの設定で常時点灯/点滅などの設定が可能で、夜間のランニングなどで視認性向上に役立ちます。こちらも後ほど詳しく紹介します。
左のトランスデューサーには「マルチ機能ボタン」と呼ばれるボタンが配置されていて、電話への応答や音楽の一時停止/再生、曲送りなどをすることができます。
音量ボタンは右サイド下部に配置。コチラは電源ボタンも兼ねています。その後ろには充電端子があります。コチラは独自規格となっていて、付属のケーブル以外は使用できないので注意が必要。こういうのって結構不便なんですが、後述するパワーバンクがあるので心配ご無用です。
パワーバンクが大きな特徴
SUUNTO WINGには「パワーバンク」と呼ばれる充電ドックが付属していて、これが大きな特徴になっています。パワーバンクはバッテリーも内蔵しているので、ちょうどワイヤレスイヤホンのケースのような役目を果たします。パワーバンクを使用すれば、最長で30時間の連続再生が可能です。
サイズ | 93.5mm*48mm*25mm |
重さ | 40g |
防水性 | IP55 |
パワーバンクを使えば SUUNTO Wing 本体をUSB Type-Cで充電できるので、専用ケーブルを使うよりかなり便利!使わないときはパワーバンクに接続しておくのが基本になるでしょう。パワーバンクは30gとかなり軽量で、ヘッドホン本体と合わせても63g。かなり軽量化に心血が注がれているのがわかります。
こちらも防水防塵機能アリ。ヘッドホンだけでなく充電ドックもウォータープルーフにしているのがニクイ。IP55で、小雨程度なら問題ない防水性があります。
使用感レビュー
さっそく使ってみましょう。こちらが着用の様子。耳に引っ掛けるようにして、トランスデューサーを耳の前方(耳珠)に密着させます。本体の軽量さも相まって、着用感は軽やか。数時間耳にかけて過ごしましたが、耳が痛くなったりすることはありませんでした。
骨伝導ヘッドホンは圧迫が強すぎると頭痛を引き起こしたりするのですが、私の多少大き目の頭でも SUUNTO WINGで痛みは出ませんでした。
さて肝心の音質。一曲聴いてみて最初に思ったのは、「あれ?骨伝導ヘッドホンってこんなに音良かったっけ…?」ということ。しっかり聴ける音を出してくれます。骨伝導ヘッドホンって「外で使いたい、音質はそこそこで良い」って時に使うものだったので音質への期待が薄かったんですが、SUUNTO WING、結構凄いです。
骨伝導ヘッドホンにありがちな中音~高音域の籠りがかなり抑えられていて、クリアに鳴らしてくれます。骨伝導でここまで明瞭なの凄くない?と思うぐらいにはキレイ。低音は直接骨に響くし(?)必要十分。音の全体的なマトメ方が上手いので、何を聴いても再現性が高い。
カナル型イヤホンや解放型ヘッドホンと同等!とまでは言えないものの、音質は劇的に向上!安い中華製骨伝導は勿論のこと、ShokzのOpenRunですら凌駕していると思います。マジで。
オープンイヤー型は今や専門コーナーが作られるぐらいには人気があるジャンル。それもこれも、外音を取り込みながら使いたいという需要があるからに他なりません。外で使ってみましたが、まさにオープンイヤー型の本領発揮。当たり前ですが、ちゃんと外音が取り込めます。
音量を上げずともハッキリ聴こえるので、外から入ってくる音を阻害しません。耳を開けながら高音質で音楽が聴けるって素晴らしい。
骨伝導型は音量を上げるとビビる(本体が不快に震える)のが割と「あるある」なのですが、SUUNTO WINGはそれをほぼ感じませんでした。使ってて耳が痒くなる、あの感じが皆無。商品説明のどこにもそういう売り文句が書いてないんですが、結構スゴいことだと思うんですけどね!?SUUNTOさんちょっとプッシュした方がいいと思いますよ!
オンライン会議でも使ってみました。マイク内蔵なので、もちろん問題なく使用できます。音質もハッキリ明瞭とのこと(自分で聞いてないので参加者談ですが)。耳を塞がないので家族のSOSも聞こえますし、在宅勤務やオフィス利用にも良いかも。音楽聴きながら仕事する人って時に評判悪いですが、オープンイヤー型なら問題になりにくそうですね。
子どもがピアノの練習を始めたら「ピアノの音もメチャ明瞭(笑)」と指摘されることがありました。騒がしい場所での利用や、テレワーク時に同居者がいる方は気を付けた方がいいかも。
アプリがあると便利!
アプリでできることは以下の通り。これらはアプリが無いと設定を変更できないので、結構重要なポジションを占めています。
・ヘッドジェスチャーコントロールのON/OFF
・サウンドモードの切り替え(標準/屋外)
・デュアルデバイス接続
・LEDライトの切り替え
ヘッドジェスチャーコントロールはその名の通り、頭の動きでスマホを遠隔操作できる機能。通話の拒否/応答と、再生している曲を次の曲にすることができます。頷いたり首を振ったりすることで操作するんですが… 発展途上の機能だと思いました。
試みは面白いんですが、素直に多機能ボタンが使いたくなりますね。バッテリーの減りも早くなるらしいので、個人的にはOFFで使ってます。
一方、デュアルデバイス接続はONがオススメ!2台まで同時に接続できて自動で切り替えてくれる機能、いわゆるマルチポイントなんですが、コレがやっぱり超便利。PCとスマホに同時接続すれば、音楽もゲームもどちらからでもすぐに鳴らせる。電話がかかってきてもヘッドホンを付けたままで切り替え不要。絶対ONです。
デフォルトはOFFに設定されていたのが唯一の不満点。スマホアプリからじゃないとONにできません。便利なんだからデフォルトONにして欲しい…!
LEDライトの切り替えはデフォルトでOFFになっていて、常時ONと点滅に切り替えられます。夜間のランニングや自転車通勤(退勤)時などには視認性を上げるのに役立つでしょう。写真からは分かりにくいですが、真っ赤なLEDが点滅するので結構目立ちます。あまり考えたことなかったですが、ヘッドホンにこの機能を付けるのは「なるほど」と思わされました。アイデアですね。
SUUNTOアプリはスマートウォッチ用も兼ねているので、SUUNTO製の他デバイスを持っている方は導入がスムーズです。ヘッドホン用に設定できる項目は少なめですが、マルチポイントの設定をするためにもインストールは半ば必須でしょう。
Shokz OpenRunと比較
先にも書きましたが、SUUNTO Wingの使用感は「まんま Shokz」と言っても過言ではなく、操作感もほぼ同じ。では Shokz製品とSUUNTO Wing、どちらを買うべきか?両者を細かく比較してみます。
まず気になるのは価格差。Shokzのハイエンドモデルに比べて、SUUNTO Wingは1万円も高価です。重さに関しても Shokzに対して一歩譲ってます。たった数グラムの差ですが耳に引っ掛けて比べてみると「確かにうっすら重いかも」と思う程度には差を感じます。
Shokz製品には小さめサイズの展開があるのも長所ですね。防水機能や再生時間はほぼ同等。基本機能面では双方ともケチを付けがたく、どちらも高いレベルでまとまっています。
音質に関しては SUUNTO Wingに分があります。一番は先に書いた低音のビビリの少なさ、次点で特に中~高音域の解像度においてアドバンテージを感じます。ただ差は微々たるもので、アクティビティ中のBGMとして劇的な差が感じられるほどではないでしょう。
SUUNTOのアドバンテージは、まずはパワーバンクの存在。充電ドックにより外でも充電できるほか、USB Type-Cケーブルで充電できるようになるのがデカい。Shokzは独自規格の充電ケーブルしか使えないのでココはハッキリとした長所です。
またSUUNTO Wing は Bluetooth5.2に対応。LE Audio機能の恩恵に預かれます。APTX Adaptiveによる低遅延モードに対応しているので、ゲームなどにも使用するなら、SUIUNTO Wingの方が優れているでしょう。あとは先に書いたLEDライトと、ジェスチャーコントロールが、Shokzとの差異となります。
若干の音質向上、パワーバンク、Bluetooth5.2 やロスレスモード、LEDライトとジェスチャーコントロール。これらに1万円以上の価値を感じられるか?が選択のポイントですね。
まとめ
音質はもちろん、機能面が高いレベルでまとまっている SUUNTO Wing。充電ドックとして役立つパワーバンクの存在や、ヘッドジェスチャーコントロールなど意欲的な機能を搭載。マルチポイントや低遅延モードにも対応したハイエンド骨伝導機です。
何を隠そう今もSUUNTO Wingで音楽を聴きながら記事を書いています。ちゃんと聴ける音を鳴らす骨伝導機が出てきたんだな~としみじみ感心してます。数時間着用しても耳が痛くならないのは太鼓判です!
定価¥33,800と高価ですが、SUUNTO公式ショップ、楽天公式ショップ、Amazon共に15%引きにて販売中。本体カラーは「ALL BLACK」と「LAVA RED」の2色展開なのでお好みでどうぞ。屋外での使用はもちろん、在宅勤務時やオフィス利用にもオススメです。
今回はこれにて。最後までお読みいただき、ありがとうございました。