以前の記事でも触れましたが、殆どの蔵書はデジタル化してしまいました。小説や漫画の類は優先的にスキャンしましたが、お気に入りの写真集や画集については裁断に抵抗が。10冊程度をまだ手元に残しています。
今日紹介するのは、その中でも本として残存している一冊。写真家・ティムウォーカー氏の作品集、Tim Walker Picturesです。本記事では本写真集の紹介に加えて、ティム ウォーカー氏とはどんな人物なのか?なども紹介していきます。是非最後までお付き合いください。
TIM WALKER氏について
Tim Walker氏は1970年生まれのフォトグラファーです。イギリス出身でロンドンを拠点に活動しており、主にファッション関係の写真を撮影しています。「Vogue」での活動が有名で、定期的に紙面を賑わせています。
VOGUE JAPANの紹介ページは以下から。
彼の写真は、大掛かりなセットを使った大胆な表現で知られています。彼の作品を評する際には、ロマンチック、幻想的、というような言葉が散見されます。しかし派手な撮影から誤解されがちですが、彼の写真に対する姿勢は至って真摯。それはインタビューからも見て取れます。
Q.被写体に関して、条件のようなものはあるのでしょうか?
A.ないね。写真家は、人を選ばず写真を撮れるようでないといけないよ。8歳であろうが80歳であろうが、その人の個性を見出さなきゃならない。(中略)ファッションが商業化しすぎると、人がもつ違いやおもしろさ、個性といった、かつてファッションが讃えてきたものが急速に失われてしまう。(中略)それまで写真を撮られたことない人や、あまり自分を出さないシャイな人、自分には写真に撮られる価値がないと考えているような人は、プロの被写体と同じだけ多く物語るものだと僕は思うんだ。
引用:https://i-d.vice.com/jp/article/88gg7g/young-fashion-photographers-csm
ディオールやエルメス、マルベリーなどの超大手ブランド広告も手掛ける敏腕でありながら、この真摯さ…!ちょっと驚きですよね。
Tim Walker Pictures 紹介
大きさ比較のためにスマホと並べて撮影しています。おわかりかと思いますが、かなり大きくて重い。そして高価です。
購入のハードルはかなり高いんですが、中身が最高なんです…!
その大きな図体を補って余りある魅力がこの本にはあります。スキャンしなかったのはデカかったから、という理由ではなく、デジタル化するのが惜しいと感じたからに他なりません。
中身を一部お見せしますが、とにかくオサレ。ポップでキュートだけど、どこか退廃的。どことなくメランコリックで、そしてとにかく美しい…。もはや服とは呼べないようなものをモデルに着せ、よくわからない場所で撮影されているのに。
彼の世界観は非常に独特で、ページをめくるたびに「なにコレ?どういうこと?」という写真が展開されます。しかし目が離せない。1ページ1ページの完成度が高くて引き込まれるんです。
大きな写真集なので、ディティールをつぶさに見ることができます。絢爛なセットも魅力ですが、小物も総じてオシャレ。じっくり細部まで見てしまいます。
ファッションフリークだけでなく、カメラを趣味にされている方にもお勧め。当たり前ですがクッソ上手いです。影の作り方/使い方、そして構図は特に必見。よくこれだけ引き出しがあるものだと感心します。
彼の写真集はいくつかリリースされていますが、中でもこの本の完成度が抜群。一枚一枚めくるたびに物語が進んでいくような、想像力が掻き立てられるものがあります。動画全盛の今日この頃ですが、写真ならではの魅力やパワー、存在意義があると感じられる写真集です。
他にももっと見たいなら
ティム・ウォーカーの公式ページは以下。当然、全ページ英語ですが、写真がたくさんあるから見てるだけでも楽しいですよ。
おわりに
Tim Walker Pictures は現在、新品では販売されておらず、基本的は中古で探すことになってしまいます。元が1万円以上する本なので、現在はそれ以上で取引されているのが現状です。
ファッション好きや、写真好きには特におすすめする一冊です。状態が良いモノが1万円台であったら買いです!ぜひ見て頂きたい…!
日本語訳されたら再度買いなおす気マンマンなのですが、再販すらかかりません… 頼む!どこかの出版者様!日本語訳版を…!
本日はこれにて。最後までお読みいただきありがとうございました。