以前の記事でも触れましたが、殆どの蔵書はデジタル化してしまいました。今日紹介するのは、その中でも本として残存している一冊。写真家・ティムウォーカー氏の作品集、Tim Walker Picturesです。
大きさ比較のためにスマホと並べて撮影しています。おわかりかと思いますが、かなり大きくて重い。そして高価です。クリエイティブと縁がない方であれば、購入のハードルはかなり高いでしょう。
しかし、それら補って余りある魅力がこの本にはあります。スキャンしなかったのはデカかったから、という理由ではなく、デジタル化するのが惜しいと感じたからに他なりません。
Tim Walkerは1970年生まれのフォトグラファーで、大掛かりなセットを使った大胆な表現で知られています。Vogueのファッション撮影から、ディオールやエルメス、マルベリーなどのブランド広告も手掛ける敏腕です。彼の作品を評する際には、ロマンチック、幻想的、というような言葉が散見されます。
VOGUE JAPANの紹介ページは以下から。
中身を一部お見せしますが、とにかくオサレ。ポップでキュートだけど、どこか退廃的でメランコリック。もはや服とは呼べないようなものをモデルに着せ、よくわからない場所で撮影されているのに、美しい。物理的に大きな写真であることは、ディティールをつぶさに見ることができるという楽しみを与えてくれます。絢爛なセットも魅力ですが、置いてある小物も総じてオシャレです。
ファッションフリークだけでなく、カメラを趣味にされている方にもお勧め。当たり前ですがクッソ上手いです。影の作り方/使い方、そして構図は特に必見。よくこれだけ引き出しがあるものだと感心します。カメラとレンズ、何つかってんだろ…。
彼の写真集はいくつかリリースされていますが、中でもこの本の完成度が抜群。一枚一枚めくるたびに物語が進んでいくような、想像力が掻き立てられるものがあります。
動画全盛の今日この頃ですが、写真ならではの魅力やパワー、存在意義があると感じられる写真集です。
ティム・ウォーカーの公式ページは以下。当然、全ページ英語ですが、写真がたくさんあるから見てるだけでも楽しいですよ。