ずっと気になっていたスマートウォッチ、 SONY 「wena 3」を購入しました。これまでのスマートウォッチとは目の付け所が違う!と話題になり、一時品切れ状態に。その後「不具合が多い」と不満が散見されていましたが、「ソフトウェアアップデートで劇的に改善された」と聞きつけ購入に至りました。
今回はこの wena 3 を紹介しながら、1ヵ月使って分かったこと、本当にバグは治ったのか?などなどレビューしていきたいと思います。最後までお付き合いください!
wena 3 とは何か?
wena 3は、ご存知の通りバックル部分をスマートウォッチ化するガジェットです。ROLEXだろうがCASIOだろうが、お気に入りの時計をスマートウォッチ化できる点が wena 3の最大の特徴であり、全てと言っても良いほど。
この点が独創的かつ画期的で、同様のコンセプトを持つスマートウォッチは他にありません。選択肢が無いのです。熾烈な競争が続くスマートウォッチ市場で、ブルーオーシャンを自由に泳ぐガジェット。それがこの wena 3です。
wena 3 レビュー
開封レビュー
外箱には wena③ とシンプルなロゴが配され、中も外もグレースケールのシンプルなデコレーションとなっています。そして真ん中にステンレスのメタリックな wena 3が。
本体を固定しているウレタンを持ち上げると、上記のような同梱物が出てきます。
メタルバンドは取り扱いが難しいため、専用の説明書が同梱されています。サイズ調整などはプロの時計屋さんに任せるのが無難です。
ケーブルは USB Type-A to C。type-Cを専用の充電端子に差し、その端子をさらにスマートウォッチに繋ぐ… という充電方法になります。充電端子はクリップ状になっており、本体と脱着するときは洗濯バサミのようにクリップを開きます。
本体レビュー
「あなたの腕時計がスマートウォッチに早変わり」と謳っている wena 3。サイズ的にフィットする、というだけでなく、高級ブランド時計に取り付けても違和感がないデザインであって欲しいところ。
「高級感」という点においては及第点。愛用している OMEGA Seamaster 300Mに付属していたメタルバンドと比較してみましょう。
流れるような流線型のデザイン、メタルパーツのディティールなど「高級腕時計のメタルバンド」が持つ要素をちゃんと踏襲しています。
ブレスの厚みなど重厚感の部分で若干劣るものの、総合的にはよく考えて作られたバンドだと感じます。
バックル部分は電子機器が詰まってて厚くなってるのでは?デスクワークでは邪魔になるんじゃないの?という懸念もありましたが、問題なし。OMEGAのブレスと比較しても、1~2mm程度の差。使用時に違いを感じるほどの差はありません。
裏には脈拍などを計測するセンサーが。充電の際にも、この突起部分にアダプタを接続して利用します。
ベルト部分に入っている▽のマークは「ベルトの長さ調整時にこの部分は外してもOK」という印。自前で調整するときに、間違ってもこのパーツは外さない様にしましょう。
腕時計に取り付ける
愛機・OMEGA Seamaster 300M に登場してもらい、取り付けていきます。
さっそくですが注意点があります。wena 3に付属しているメタルバンドの幅は22mm。取り付けたい腕時計のラグ幅が22mm以外なら、別売のエンドピースを別途購入する必要があります。
OMEGA Seamaster 300Mのラグ幅は残念ながら20mmなのでエンドピースを購入。別売のエンドピースは18~24mmまで取り扱いがあります。
エンドピースの取り付けは時計屋さんで行うか、特殊な工具を使って自分で行う必要があります。エンドピースが必要なくても出荷時はバンドが最長の状態なので、サイズ調整が必須。
バンドガイドに調整方法も記載されていますが、基本的にはプロの時計屋さんで対応してもらうのが良いです。公式サイトでは wena 3の調整をスムーズに対応してくれるお店を「推奨バンド調節店」として紹介しています。
自前でやる場合には工具を調達しましょう。amazonなどを除けばたくさん売っています。私は自分でやりましたが、時計を固定する台・ピン・ハンマーとピンセットがあればOK。スムーズにいけば10分程度で調整できます。
繰り返しですが、プロにお願いするのが無難です!思い入れのある時計なら尚のこと。自分でやる前に、本当に大丈夫か?を自問自答してから臨みましょう。
使用感レビュー
サイズを調整したものを、さっそく装着してみましょう。ドン。
これだけで見るとナロータイプのスマートウォッチ、という面持ち。手のひら側に表示面があるのは何だか新鮮です。
有機ELのディスプレイは小さいながらクッキリ見やすく、UIも整然と配置されており視認性は高いです。それでいて邪魔にならないサイズという絶妙な設計。wena 3の妙技と言えるでしょう。
スマートウォッチの台頭は目覚ましいものの、ビジネスシーンで使うのは躊躇われる方がまだ多いのが現状。しかし wena 3なら全く問題ないでしょう。ハタから見るぶんにはほぼ普通の時計に見えます。
愛機 Seamaster 300M にもマッチ。お気に入りの時計を違和感なくスマートウォッチ化でき、満足感が高いです!
セットアップにはアプリが必須。以前はiOS端末が必要でしたが、現在は解消。iOS/Androidどちらでもセットアップが可能です。
本体の指示に従ってセットアップ。ペアリングを行ったあとに必要項目を入力して、所要時間は5分程度。セットアップ終了とほぼ同時に最新のソフトウェアにアップデートが始まります。
肝心の使い勝手について。一般的なスマートウォッチでできることは概ねできます。スマートウォッチで最も重要なことは「通知を受け取れる」ことな訳ですが、もちろん問題なし。メールやLINEの内容確認や、着信確認などもスムーズです。
ena3 の特徴の一つでもある suica への対応も健在。楽天 EdyとiD/QUICPayなど主要な国内電子マネー決済に対応しています。ただしsuica定期券は使用できない点はご留意を。
また、楽天EdyとID/QUICPayを使うにはiOS端末が必要。「おサイフリンクアプリ」が未だにiOSのみの対応なためです。
alexaにも対応しており、これが意外に便利。スマートホーム化を進めているなら、「アレクサ!」と大声で呼ばずとも、囁くような声で指示を出すことができます。音楽かけて、と言えば対応したalexa端末(我が家では Echo show)が音楽を奏でます。
文字で返答をしてくれるので、簡単な計算の他、今日のニュースやスケジュールの確認などにも便利です。
2021年9月から開始したRiiiverの対応により、wena 3を活用する幅がさらに広がっています。
Riiiverは、アプリを経由して iiideaと呼ばれる「機能」をwena 3に追加できます。
iiidea には様々な機能のプリセットが用意されており、それらを組み合わせて自分だけの操作を作ります。
具体的な例で言えば、かけている音楽の再生/停止/曲送りや、天気予報やスケジュールの確認、応援している野球チームの戦況確認など。スマートホーム化しているならそれらの操作を割り当てても便利でしょう。
欠点は wena 3 に割り当てられるボタンが少ないこと。電源ボタン(長押し/二度押し)のほか、ホーム画面のウィジットに追加するしかなく、せっかく色々な機能があるのに多くの機能を登録できません。
仕方ないので曲送り/曲戻しを登録してちょっと様子見しています。本当はスマート家電操作や玄関の施錠/開錠などもセットしたいんですけどね…
ヘルスケア機能ももちろん装備。取れる値は Heart Rate(心拍数)/Step(歩数)/Sleep(睡眠深さ)/VO2Max(最大酸素摂取量)/Stress&Recovery(ストレスレベル)/Body Energy(エネルギー残量)と様々です。
中でも面白いのが VO2MaxとBody Energy。最大酸素摂取量は、通常なら激しい運動をして測定するものです。しかしソニー独自のアルゴリズムにより、日常の歩行データから推定できるとのこと。
VO2の測定値は40で、アラフォーとしては正常範囲。筋トレはしているものの有酸素運動が苦手なので、妥当な値だと思います。
Body Energyはストレスレベルから導かれる「その日のエネルギー残量」とのこと。まるでゲームのHPみたいです。休むと回復し、動くと下がります。筋トレをした時間帯にグッと下がっているのが分かるかと思います。
疲れているかどうか?は意外と自覚しにくいもの。Body Energyが低いと「あんまり休んでないもんな」と早く寝るキッカケになります。逆にBody Energyが高ければ、多少の疲れを感じていても「十分休んだから大丈夫だ」と思うことができる。体力のペース配分を考える一助になる面白い機能です。
休日は子どもとよく遊ぶのでStressがかかり、急激にBody Energyが減っていっています。一方で在宅勤務では一日中座りっぱなし。朝の家事と昼休みで少し歩くぐらいなので、Body Energyは有り余ります。こういう風に一日が可視化できるのは非常に面白い。
午前中&夕方に長男とランニングしたので、そこでBody Energyが急降下!最終的には13まで低下、実際ヘロヘロでした…
贅沢を言わせてもらえば「心電図」と「体組成」機能があれば最高!これらの機能を併せ持ったスマートウォッチは2021年11月現在でほぼ皆無なので無理もありませんが、ぜひwena 4では搭載を期待したい。ほぼ完ぺきな健康管理アイテムになるでしょう。
wena 3はスタミナがあるのも嬉しい点。充電せずに一週間余裕で持ちます。
ヘルスケア機能をフル活用するなら、当然睡眠時にも使いたい。スタミナは必須です。入浴時に充電する程度ですが、それだけ十分に持っています。
ただ専用のコネクタが必要なのがちょっと残念。汎用性がないコネクタなので使いまわしが利きませんし、このコネクタが無くなったら充電不能になります。コネクタは別売もされていますが、安くはありません。
直射日光下でのディスプレイがちゃんと視認できるのか?気になっていましたが、こちらも問題なし。もちろんガラスの反射で見えにくいときはありますが、角度を少し変えてやるだけで問題なく確認できます。
他社のスマートウォッチに比べても視認性は悪くないどころか、見やすいぐらいに感じました。グレースケールのスッキリしたUI表示なので、必要な項目が視認しやすいのも一助になっている印象です。
目の付け所が「非常にSONYっぽい」製品で、さすがだなと思わされる逸品。お気に入りの時計はそのままに、手首の表でなく裏側でビジネス面・健康面をアシストしてくれます。
色々言われていたバグもほぼ解消しており、快調に日々をバックアップしてくれています。時々Alexaが「not ready」と表示されて使えないという不具合がありますが、SONYも把握していて対処中とのこと。
日常使いで不便さを感じることはほぼ無くなっています。バグの情報で躊躇していたなら、俄然買いの状況でしょう。
本体の保護について
少し困るのが本体の保護。ステンレスは頑丈ですがキズが付きやすい性質があります。時計はアクセサリーでもあるので、キレイな状態を保てるように保護しておきたいところ。
選択肢は二つで、「全体を覆うケース」か「保護シート」です。保護シートはディスプレイを覆うタイプは幾つか発売されていますが、ステンレス部分を保護してくれるものはありません。ステンレスを保護するなら、ケース一択なのが現状。
しかしケースを使うとどうしても厚みが出ます。私は馴染めなかったので、曲面に貼れるタイプの保護シートを自分でカットして、ステンレス部分まで覆っています。
ディスプレイと本体の継ぎ目が若干浮いていますが、ケースよりはかなりマシ。おすすめの保護方法です。
↑このフィルムはサンプルなのですが、横幅が wena 3にピッタリ!実際に上の写真で貼ってあるのはこのフィルムです。
おわりに
先に書いた通り、wena 3にはライバルがいません。お気に入りの時計があって、スマートウォッチも導入したいならwena 3しか選択肢が無いのです。
あとは「どのwena 3が自分の時計に合うか?」を考える必要があります。メタルバンドにはブラックも用意されているほか、レザーのタイプも取り揃えています。
こちらはメタルバンド。「モノ」感があり水濡れに強い。お持ちの時計の色に合わせてシルバーかブラックをチョイスしましょう。
こちらはレザー。フォーマルでは「白ダイヤル+三針+黒レザー」が標準と言われているので、真のオールマイティを目指すならレザーでしょう。水には弱いので注意が必要です。
あなたもお気に入りの腕時計をスマートウォッチにしませんか?最後までお読みいただき有難うございました。