予約注文していた カールハンセンの Yチェア が届きました。納期6カ月、待ちに待ちました。さっそくダイニングチェアとして使っていますが、さすが名作と言われるファニチャー。思った以上のお気に入りになっております。
今回の記事ではこのYチェアの開封&レビューから、「カールハンセン&サン」という会社について、肝心の座り心地や使用感について紹介していきます。ぜひ最後までお付き合いください。
カールハンセン&サンとYチェア
カールハンセン&サンはデンマークのフュン島に本社を置く家具メーカーです。1908年の創業から変わらず家族経営で、現在のCEO クヌード・エリック・ハンセン氏は創業者の孫にあたります。
カールハンセン&サン社が1949年に、同じくデンマークの巨匠デザイナーであるハンス・ウェグナー氏にデザインを依頼したチェア… それがウィッシュボーンチェア、別名Yチェアです。CH24チェアとも言ったりしますね。
このYチェアは1949年の生誕から今に至るまで、継続して生産されているカールハンセン&サンの売れ筋商品。「世界で最も売れたチェアの一つ」とも言われており、デザイナーチェアの定番として地位を確立しています。
特に日本での人気が圧倒的。年間生産台数の実に4分の1以上を、日本での販売台数が占めています。「北欧家具」の人気がよくわかる数字です。
開封レビュー
注文したのは2脚だったのですが、届いた段ボールは一個でした。さっそく開封してみます。ドン。
図のように、お互いを傷つけあわないように2脚入っていました。さすが70年以上作られているチェア、梱包の仕方すら洗練されています。物流が考えられた無駄のない梱包です。
取り出して並べてみます。受注生産の状態だったので、作りたてホヤホヤのYチェアです。加工したての白く柔らかいビーチ材がとっても美しい。職人さんの手で作られ、海を渡って我が家にやってきたと思うと感慨深いものがあります。
私が選択したのは、ビーチ材のソープフィニッシュタイプ。Yチェアにおいて、おそらく最もスタンダードなタイプでしょう。そもそもソープフィニッシュって何なのか?という話も追って説明していきます。
限定色もあり悩みましたが、着色仕上げは自分でリペアが不能、とのことでした。ソープフィニッシュなら自分である程度の手入れが可能です。
Yチェアについて
Yチェアをじっくり見ていきます。
まず特徴的なのが、その座面。「ペーパーコード」と呼ばれる、樹脂を含ませた紙でよられた紐で編まれています。
一脚に使われるペーパーコードはだいたい120mにも上るそう。一つ一つが職人によって編まれた、まるで工芸品のような座面です。一つを編み終わるのに、熟練の職人でも1時間以上かかるそうです。
OAチェアでメッシュ素材のものがありますが、それのオーガニック版とも言える座り心地。通気性がよく蒸れない。適度なテンションとクッション性があるので、長く座っていても疲れることがありません。
数年単位で座っていると、使っている人のお尻の形になっていって更にフィット感が増していくのだとか。愛着が湧く話ですね!
ビーチ材とは、日本語で言うところの「ブナ材」のこと。硬いのに曲げ加工がしやすく、家具の脚や背もたれなどによく使われます。北欧家具の特徴ともいえる明るいカラーで、キメ細かい木目とやわらかな質感が特徴です。
ソープフィニッシュとはその名の通り、「石鹸水」で仕上げた処理のこと。石鹸の塗膜で家具を保護しつつも、オイル仕上げのように濡れた質感にならないので、木材の持つ本来の風合いにかなり近くなります。
石鹸水でケアできるのも嬉しいポイント。泡立てた石鹸水で洗い、一日以上陰干しすることでクリーニングできます。
背もたれとひじ掛けが一体化した背もたれ部分。座面が広く、包み込むように背もたれが配置されているので、ゆったりと座ることができます。
ビーチ材のサラサラとした手触りも手伝って、素肌と直に当たる部分も気持ちがいい。ずっと触っていたくなるような滑らかさです。
脚から背もたれへ、流れるようにつながったフォルムが美しい。
そしてガッチリした肘置きをあえて主張させず、やや短くデザインされているところがこのYチェアの良いところ。肘置きに支柱がないことで、180度どの方向を向いても座れるようになっています。
リビングが狭いと「肘置きは欲しい、でも座り方制約されたくない」と思うはず。Yチェアはその要求を満たしてくれます。
座るときの「自由度が高い」のがYチェアの特徴。探してみれば、上の写真のように横から出られるイスがなかなか無い事に気づくかと思います。
Yチェアはいわゆるデザイナーズチェアの中では、かなり座り心地が良いです。ダイニングチェアにも、仕事用のイスとしても活躍しそう。座る自由度も手伝って、使うシーンを選びません。
上はカールハンセン&サンによる、Yチェアの紹介動画です。一台ずつこうやって職人の手を通り我が家に来たのだと思うと、愛おしく感じますね。
おわりに
カールハンセン&サンの家具は、最長5年の保証がついています(ペーパーコードの部分は1年)。ユーザーが定期的に行うメンテナンスの方法も公式HPでレクチャーしており、修理に関しても有償で受けてくれます。
「長く使いたい」という気持ちに、メーカーが寄り添ってくれているのが嬉しいですね!
おすすめはやっぱり今回紹介したビーチ材のソープフィニッシュ。長く付き合いたいチェアを探しているアナタにぜひ。
限定だった着色タイプも載せときます。こちらの方が安価だったから悩みました。
本日はこれにて。最後までお読みいただき、ありがとうございました。