ヘッドホンは有線・無線の両タイプをシーンによって使い分けますが、ゲームをするときには有線ヘッドホンを使用します。無線に比べて音質が良く遅延が小さいので、特にFPSなどでの対人戦で差が出るからです。
私がおすすめするのは audio technica の ATH-GL3 BK。同価格帯の他メーカー製に比べて音質がよく、ヘッドセットとしてのコスパが高いんです。本記事では ATH-GL3のレビューをしながら、密閉型と開放型の選び方、テレワークでは使えるのか?などを紹介していきます。
レビュー
開封
ヘッドホンには密閉型・開放型の2種がありますが、ATH-GL3 BKは密閉型ヘッドホンです。ほぼ同スペックで開放型のATH-GDL3もありますが、在宅勤務でも使用したいと思っていた都合上、密閉型を選びました。
さっそく開封します。ドン。
・ヘッドホン本体
・着脱式フレキシブルブームマイク
・ステレオ4極ミニプラグ(1.2m)
・3.5mmマイクプラグ/ステレオ3曲ミニプラグ(3m)
・取説&保証書
着脱可能な2本のケーブルを同梱。コンシューマのゲーム機器などには4極ミニプラグ、デスクトップPCにはマイクプラグとステレオミニプラグを備えたケーブルを使用するなど、シーンを選ばず使うことができます。
本体レビュー
上の写真はブームマイクを取り付けた状態。有線専用のヘッドホンなので、実際の使用時はヘッドホンの下部からケーブルが伸びることになります。
本体スペックは以下の通り。
同価格帯の他社ヘッドホンに比べると、再生周波数帯域が広くインピーダンスが高いです。1万円クラスのヘッドホンだと再生周波数は20~20000Hz、インピーダンスは35Ω付近が多い中、数字上はアタマ一つ抜けた性能を持ってます。
要は同価格帯のヘッドホンに比べ「鳴らせる音のレンジが広く、音源の再現性がやや高い」ということ。音の味付けもあるので数字だけを鵜呑みにするのは危険ですが、一つの指標として参考になります。
イヤーカップ内部の鮮やかなブルーが「ゲーム用」ぽさを強調していますが、逆にいえば味付けはそれぐらい。ケバケバしさのないシックな仕上がりなので、在宅勤務などでも悪目立ちせずに使うことができそうです。
10000円チョイぐらいなので期待していませんでしたが、同価格帯のヘッドセットと比較して質感が高く、安っぽさはありません。オーテク上手だね!
持って驚くのは、その軽さ。マイク付きで237gです。ゲーミングヘッドホンで一番の売れ筋であるL社の同価格帯ヘッドホンが 320gなので、その軽さがわかるかと思います。ずっと頭に装着するものなので、軽快なのは嬉しいですね。
ヘッドホン下部にはステレオケーブルを挿入するコネクタージャックのほか、マイクのミュートスイッチと音量調整のダイヤルを装備。PCを操作せずともヘッドセット側のスイッチで素早く操作・調整ができるようになっています。
ブームマイクは着脱式で、取り外して使用することも可能。マイク先端までは柔軟性のある金属で覆われており、自在に曲げることができます。可動域が広いので、耳の位置・顔の大きさを問わずに最適な場所にマイクを配置することができそうです。
使用感レビュー
最初に気が付くのは、その着用感の良さです。私は比較的頭が大きいほうなのですが、締め付け感が少なくて優しい付け心地。耳を押さえつけることなく「ふわっ」と覆ってくれるので、長時間の着用で痛みが出るようなこともありませんでした。
数時間ぶっ続けで使い続けても無問題。軽量で首が疲れるようなこともなく、装着感は上々。これまで20台以上のヘッドホンを使ってきましたが、着用感では 1、2を争います。
デザイン的にも落ち着いているので、カメラONのオンラインミーティングでも悪目立ちすることなく使用できます。質感もよく高級感はありますが、LEDがグラデーションするような「まさにゲーミング!」というデザインを求めている方には物足りなく感じるかもしれません。
音質はさすがオーディオテクニカといったところ。先に「同価格帯の他社ヘッドホンに比べ、再生周波数帯域が広くインピーダンスが高い」と書きましたが、公称値のとおり音源ありのままの音を誠実に出している印象です。モニターヘッドホンに近いような音質ですね。
試しにゲーム(Apexとボーダーランズ)もプレイしてみましたが、足音も銃声もクッキリ聞こえて方位も問題なし。密閉型なので距離感が掴みづらいところはありますが、本気でプレイするなら開放型を検討したほうが良いでしょう。
音楽鑑賞でも力を発揮してくれます。ゲーミングヘッドホンでブイブイいわせているL社やR社の2万円近いモデルと比較しましたが、本機ほうが音質は明らかに上。なぜ本機がイマイチ話題になっていないのか、ちょっと本気で謎です。
欠点があるとしたら、EDMなどを聞いたときに高音がやや耳に刺さる感じがありました。私は USBアンプを挟み、イコライザーでやや高音を抑えて調整しています。低音は必要十分で、ちょうどよい塩梅に感じました。
USBアンプは安価で使いやすい SoundBlaster G3がおすすめ。併せて使うとよりハッピーです。別記事でも紹介しているので、参考にどうぞ。
ブームマイクの周波数帯域は 30~20,000Hz と、これまた広い。L社のハイエンドゲーミングヘッドホンですら 100~10000Hz で、カタログスペックだけでも他社のハイエンド機を圧倒していることになります。録音品質を確認しても単品のコンデンサーマイクと遜色ないほどです。
もちろん単一指向性なので、賑やかな我が家で使用しても問題なし。私の声以外を拾うことはありません。
欠点らしい欠点がないヘッドホンですが、挙げるとするならミュートスイッチの位置。見えない位置にありますし、ミュートがON/OFFどちらなのかを視認する方法も無いのでほぼ使っていません。マイクを上に上げるとミュートになる仕様が一部のヘッドホンにありますが、あれがあれば言うことなしでした。…ちょっと望みすぎですかね。
密閉型か、開放型か
ざっくりと言えば、特徴は以下のようになります。音質に関しては長い長い論争がありますが、ジャンルによって得手不得手あるので触れません。
密閉型 | 周囲の音が聞こえにくい。音漏れしにくい。開放型に比べ蒸れる |
開放型 | 周囲音は筒抜け、音漏れする。蒸れない。臨場感、距離感に優れる |
家族がいるなど、静かな状況が担保できないなら密閉型がおすすめ。私は小さな子どもが家にいますし、会議中に誰かの話し声などが聞こえてくると集中できないタチなので本記事で紹介した ATH-GL3 を選びました。
家が静かなら開放型のほうがおすすめ。一人暮らしなら開放型でしょう。特にゲームにおいては「音の距離感」が重要で、開放型のほうが距離感を掴みやすいです。長時間利用しても蒸れないので夏でも快適です。
本機で言えば開放型(ATH-GDL3)のほうが高価ですが、高ければ良い!というものでもありません。使用環境に合ったほうを選びましょう!
今回はこれにて。最後までお読みいただきありがとうございました。