ランニングを嗜む程度にやっていますが、ずっと高機能なランニングシューズを使用してきました。
しかし店頭で見つけた「裸足で走れるシューズ」という言葉に興味を惹かれ、以来5本足シューズを愛用しています。今回はそんな Vibram Five Fingers を、現在使用しているKMD SPORT LSを紹介しつつ解説します。どうぞ最後までお付き合いください。
Vibramという会社について
イタリアにあるソールのメーカーで、1937年に創業の老舗。イタリアの登山家からの要望で、これまたイタリアの登山家であった創業者2名によって1935年にゴム製の靴底が開発されました。これが有名なビブラムソールの始まりです。
ビブラムソールの登場は、「靴底」にパラダイムシフトを起こしました。鋲を打った登山靴を駆逐しただけでなく、シティユースとしてもゴムの靴底が主流となりました。
Vibram Five Fingersについて
ソールといえばVibram!と思う方がほとんどでしょうが、、実はシューズ自体も作っています。それが先に紹介した Five Fingersなのです。5本足ソックスのシューズ版を想像して頂いたら、ほぼ相違ないかと思います。
FiveFingersの中にもラインナップがあり、トレッキング用から普段使い用まで用意されています。
私が購入したのはKMD SPORT LSというモデル。ランニングやウォーキング等、運動全般に向いているとされる万能タイプです。
Five Fingersの理念
ファイブフィンガーズの理念は、詰まるところ「人間は『裸足』が自然な状態である」という思想に基づいています。
ハイテクシューズの過保護な状態から、足を開放して故障しにくい身体を手に入れよう、というのがファイブフィンガーズの精神です。ハイテクシューズに頼りすぎると、その性能に頼った走り方(かかと着地)になり、速度が落ちるばかりか膝へのダメージも大きくなる…という考え方ですね。
それだけでなく、ファイブフィンガーズを履くことによって他にも様々な身体面の恩恵がある、とVibramは謳っています。これは後述します。
「かかと着地」は悪か?については、実は結論は出ていません。少し前までは「かかと着地の方が脚には優しい」とも言われていたぐらいです。しかし最近では「かかと着地は良くない」という意見が多数で、実際海外のエリートランナーは殆どがフォアフット着地です。
ハイテクシューズと何が違うか?
正直、速く走ることだけに着目すれば、ファイブフィンガーズよりもハイテクシューズに分があります。ハイペースで走るときなどは、特にそう感じます。
ハイテクシューズであれば、クッション性を利用し弾むように走ることができるので、言っていれば「シューズのチカラを使って速く走る」ことができます。しかし、それは逆に言えば「シューズのチカラで走っている」とも言えてしまいます。
タイムの向上を目指す競技ランナーと、心身の健康を維持向上させるために走るランナーがいますが、ファイブフィンガーズは後者にフォーカスされたシューズです。ファイブフィンガーズはランニングで得られるポジティブなフィードバックを増大させてくれるのです。
一番は、つま先の使い方が自然に身につくこと。クッション性の高いシューズのように「跳ねるように」走ることができないので、つま先で地面を蹴り出す感覚が必要になります。この蹴り出す感覚こそが、正しいランニングフォームに繋がっていきます。
また、自然につま先を使う筋肉が鍛えられることも大きなメリットです。
速度アップへの助力になることもそうですが、つま先を使うことで足の不調の解消にも繋がります。最近テレビで特集されているので、足裏を鍛えることで浮指などのリスクを軽減できることはご存知の方も多いと思います。
実際に使用し、脚部、特にふくらはぎ付近の筋肉が強く引き締まりました。自分の身体で衝撃を吸収しながら走るようになるので、体幹の向上も強く感じています。
Five Fingers そのほかのメリット
公式は以下のように謳っています。
その他、利用者より、以下のような声が寄せられています。
・外反母趾(指)や扁平足などが解消された。
・バランスの悪さからくる身体の不調が改善された。
・アスリートは本来のパフォーマンスを発揮できた。
・子どもの足を健やかに発達させられた。
・高齢者は転倒や老化防止につながった。
・脳梗塞が改善した。
このように多くの人が、「裸足」のメリットを体感しています。
脳梗塞が改善…などは因果関係が飛躍してる気がしますが、納得できる内容も多い。公式ページではもっと長文で、グラフなどを交えつつメリットについて書かれているので、気になる方は一度ご覧ください。
必読!注意点
個人的な注意点ですが、このシューズで初めて走るときは頑張りすぎない方が良いと思います。私はいつも通りの距離をいつも通りのフォームで走って、2~3日ほど足が痛みました。
いつも通りの走り、つまりクッション性に頼った走りで、Five Fingersを使うと痛い目を見ます。まずは少しずつ、素足で走る感覚を取り戻していくところから始めるべきだったと後悔しました。もう長いこと裸足で走るなんて、してないですよね。
走り慣れた方でもいきなり長距離を走ったりせず、少しずつ慣らしていくことをお勧めします。故障しない体を手に入れようと頑張って、ケガをしては意味がありません。
またシューズ全般に言えることですが、必ず試着してから購入してください。これは絶対!Five Fingersは足にフィットしていないと、裸足の感覚が得られません。足に密着しているからこそ得られる、指の一体感というのがこのシューズではとても大事です。
幅広サイズなども用意されているので、自分の足にフィットするサイズを吟味しましょう。より裸足に近い感覚が得られるはずです。
私は五本指ソックスなどは使わず、素足にファイブフィンガーズを履いて運動を楽しんでします。小難しい理屈は抜きにして、裸足で駆ける感覚は何とも言えず爽快です。こればかりは体験せずに説明できないので、ぜひ試してみてほしいです。
取り扱い店舗
下記から確認できます。(vibram 公式ホームページ)
日本にはオンリーショップはありません。取扱店舗に行くしかないんですが…ラインナップをフルで取り扱っているところは、見たことがありません。店舗によってはチョロッと置いているだけ、という場合もあります。
3足目を試している経験上、FiveFingersのサイズ感はどれも同じでした。ですので店頭で試着し、好みのタイプがなければ同じサイズを通販で買うのがおすすめです。
用途別おすすめモデル
残念ながら私が使用しているモデルは廃盤になった模様。今は製品別の違いが分かりやすく区別されていますね。
ランニング用をお求めならV-Rumがイチオシ。ランニング・ウォーキングはもちろん、初めてFive Fingersを使う方にもおすすめのモデルです。
ファイブフィンガーズには、普段履き用や室内履きなども用意されています。オフィスワークをしながらつま先を鍛えられます。運動に限らずスリッパ代わりやオフィスでの使用などの使い道も検討してはいかがでしょうか。
自分に最適な FiveFingers を探してみてください。本日はこれにて、最後までおよみいただきありがとうございました。