「靴」は短命なイメージがあるかも知れません。しかし革靴やブーツは、正しく履いてケアしていれば5年、10年と持ちます。靴底の交換ができるお店も一般的なので、大事なのは日常的な皮革のケア。皮革さえ無事なら、他は交換可能ともいえるのです。
今回は一般的な皮革の靴やブーツのケア、つまり「靴磨き」について、実演を交えて解説します。どうぞ最後までお付き合いください。
靴磨きに必要なモノ
- シューツリー レッドシダーなら最高
- 柔らかめのブラシ 掃除に使う。馬毛のものが良い
- 硬めのブラシ 仕上げに使う。豚毛のものが良い
- クリーナー 安いやつで十分です
- クリーム 乳化性クリームとも。色は靴に合わせて
- クリーム用ブラシ なくても指で代用可
- 防水スプレー 評判が良い物を選ぼう
- 毛足の短い布 古Tシャツを破ったものとかでもOK
- 柔らかい布 メガネ拭きのような素材がベター
室内で作業する場合には新聞紙を、手を汚したくないならゴム手袋なども別途用意しておきましょう。
「クリーム」と「防水スプレー」は是非、良いものを!他は安く抑えても、ココはケチらないほうが良いです。クオリティに直結します。
靴磨きの手順
①下準備
紐靴の場合は紐は外しておきます。バックルなどの装飾がある場合も外してください。
また、シューツリーを入れておくと作業しやすいのでおすすめです。
内羽根式の革靴は、取扱説明書に「靴ひもを外すと靴が傷む」と注意書きされている場合があります。そういう時は一番下の穴だけ靴ひもを残し、あとは外して作業してください。
②柔らかいブラシで全体をブラッシング
全体を入念にブラッシングします。目的はホコリを落とすことです。
特に目地やジッパー部分、土踏まずなどはホコリが溜まりやすいので、何度も往復して入念にブラッシングしましょう。
③クリーナーで汚れを落とす
毛足の短い布を指に巻き、クリーナーをつけて磨きます。やや力を入れて、クルクルと円を描くように拭いてください。
全体を拭いた後、カラ拭きでもう一度、ぐらいで十分です。オーバーケアは必要な油分まで取ってしまい、革を痛める原因になります。
拭き終わると全体のツヤが無くなってマットな質感になりますが、それでOK。古いクリームや汚れが取れて、すっぴんの状態になりました。
④クリームを塗る
クリームで革靴に栄養を与えます。指でやる方が、きめ細かくクリームを塗っていけるのでおすすめです。
しかし、私は手が汚れるのがイヤでブラシを使っています…。ブラシを使う場合には硬めのものが塗り易くておススメです。
有色のクリームが飛び散ってしまうと部屋が汚れるので、ブラシで散布する場合はかならず新聞紙などを床に敷きましょう。
⑤かためのブラシでクリームを馴染ませる
かためのブラシを使ってブラッシングし、クリームを馴染ませていきます。靴の形をなぞるように、強めに素早く往復するのがコツです。
縫い目や、ソールとアッパーの間、履きジワが気になるところなどは入念にブラッシングして、クリームを叩き込んでください。
⑥毛足の短い布で拭き取る
残ったクリームを、毛足の短い布で拭きとる。円を描くように素早く、全体を拭いていく。力はそれほど入れなくてOKです。
入念に拭いていくと、革に深みのあるツヤが出てくるのを見て取れるはずです。
⑦防水スプレーで仕上げ!
防水スプレーを全体に吹きかけて、30分以上陰干し。
乾燥したら柔らかい布で、これまた円を描くようにクルクルと、少し力を入れて磨きます。全体的に磨いたら、完了です!
完了!仕上がりを確認
汚れが落とされ、栄養が与えられて、防水のコーティングが施された状態の靴になりました。これで急な雨などに見舞われても安心。気持ちよく外出することができることでしょう。
大事な補足、「磨き」について
ビジネスシューズやドレスシューズを、鏡面仕上げのようにピッカピカのツルッツルにするには「磨き」という作業が必要になります。磨きを行う場合は、防水スプレーは使いません。磨くことで防水効果が得られるからです。
ですが磨きは難易度が高く、完璧な仕上がりにはかなりの練習が必要です。時間も非常にかかるので「磨きをするならプロにやってもらったほうが良い」というのが私の意見です。
自分で靴磨きをするなら、防水スプレー仕上げがお手軽!作業時間が短く失敗も少なく、革のツヤを活かした自然な仕上がりで、防水効果もバッチリです。
磨きが気になるなら、まずプロの靴磨きを体験するのがおすすめ。驚くほどピカピカになります。一度プロの仕上がりを見た後に真似してみるか、以後もプロに任すかを考えるのが良いと思います。
日常のケアは?靴磨きの頻度はどれぐらいが適切か
革靴やブーツを履くとき、気を付けておきたいのは以下のことです。
- 定期的に履く
- 1日履いたら、1日休める
- 履き終わったらブラッシングしてシューツリーを入れておく
人間にもアブラが詰まっているので、革製品を「使用すること」が良いケアになります。一方で、革靴やブーツに湿気は大敵なので、使用後は1日置き湿気を逃がしてあげることが重要です。
履いた日の終わりには、柔らかい毛のブラシで全体をブラッシングしてホコリを落としましょう。面倒そうですが、靴箱にブラシを入れておけば20秒もあればできます。靴箱に仕舞う際にシューツリーも入れてあげれば型崩れ・防湿の効果もあるので、より良い状態を保てるでしょう。
日常ケアができていれば靴磨きは「たまに」でOK。汚れが気になったら、艶が無くなってきたら、で十分です。日常のケアは、靴磨きと同じぐらい重要!
本日はこれにて。最後までお読みいただき有難うございました。