長らくイタリア製の革靴を愛用していましたが、徐々に足に合わなくなってきました。私自身、甲高の足なので足が痛くなったり、靴がダメになったりしやすい。円安で海外ブランドも高いし、「やっぱ日本人は日本のクツかな…」と色々調べてみました。
そんな中で見つけた MANEBUのレザーシューズ「HIHIN」 が最高でした。最近はコレばっかり履いてます。本記事ではこのHIHINを紹介しながら、MANEBUってどんなブランドなのか?何がいいのか?実際に履いた姿はカッコいいのか?などについて詳しく紹介していきます。
MANEBUとは?
MANEBUは「MASAKA株式会社」が運営するシューズブランド。MASAKAは東京渋谷区に本社を置く日本企業で、2015年に設立されています。従業員数は3人(!)となっているので、革靴は自社工場ではなく生産依頼。雑誌やCM、ミュージシャン等のスタイリングや衣装制作も行う、比較的若い会社です。
MANEBUというブランド名は「学ぶ×真似る=マネブ」から。「遊びと仕事の垣根を持たない、楽しむことに貪欲なちょっと不良な大人をイメージしています。(出典:MANEBU | マネブ公式)」とのこと。フォーマルとカジュアルを両方こなせるシューズを展開、提案し、徐々にユーザーを増やしています。
スケボーできる革靴、とまで言われているMANEBU。今回紹介するHIHINは、MANEBUの代表作ともいえるレザーシューズです。
MANEBU「HIHIN」レビュー
開封!
何はともあれ、冒頭で紹介したハコを開封してみます。ドン。
HIHINは2色展開(ブラック、ブラウン)ですが、コチラはブラック。サイズは45で30~30.5cmというビッグサイズです。お手入れの方法が書かれたペーパーと、白の替え紐が付属しています。
海外ブランドならまだしも、国内のドレスシューズブランドで30cmのサイズを取り扱っているところはメチャ珍しいです。私のような足デカには、本当に本当に有難い!
外観レビュー
改めて、こちらが「HIHIN(ヒヒン)」です。MANEBUの代名詞的なモデルとも言われている代表的なモデルで、スタイルはクラシカルなプレーン・トゥです。
アッパーは牛革で、まるでガラスレザーのような質感。アメリカントラッドな外羽根式が採用されており、ポストマンシューズのようなオールドスクールな佇まいです。
一方、ソールにはスニーカーソールが採用されて軽やかな印象。ソールのサイドには MANEBUのロゴが。「サンドマッケイ」と呼ばれる技法でソールはステッチで囲まれていて、アッパーとソールが強固に固定される作りになっています。
キレイ目なアッパーと、機能性を重視したスニーカーソールの組み合わせこそがMANEBUの特徴。まさに「遊べる」レザーシューズですね。
左右の羽根(靴紐を通している部位)の内側は通常直線でピッタリと合うタイプの革靴が多いですが、HIHINは角が削られ丸みを持たせています。これは「Vフロント」と呼ばれる形状で、足の甲への負担を軽減してくれるデザイン。特に甲高の方が多い日本人にフィットする設計になっています。
インソールには MANEBU のロゴパターンが。比較的無骨なデザインの中でも、遊び心が感じられるデザインでカワイイ。厚手のカップインソールで、履き心地への配慮が感じられます。
シューレースは編み紐タイプになっています。編み紐は「頑丈さ」や「解けにくさ」もさることながら、革靴を華やかに見せてくれます。
HIHINは遠目にはオールドスクールながら、インソールやサンドマッケイ技法、編み紐などディティールが細かい。落ち着いたドレスアップが施されているので、ちょっとしたビジネスの場などで履いても全く問題ない上品さがあります。
付属していた色違い(白)のシューレースは、編み紐ではなく普通の靴紐。キレイ目に履くなら黒の編み紐、もっとカジュアルに履きたいなら白のシューレースに替えると良さそうです。
オリジナルソールにはPVCを採用。防水性があるので、ちょっとした水たまりなどなら問題なし。靴のウラにはMANEBUと大きくブランド名がデザインされ、細かい凹凸が。しっかりしたグリップが期待できそうです。
思った以上にしっかりとした革靴の印象ながらディディールが細かく、遊び心に満ちたデザイン。MANEBUのブランドコンセプトが体現されたシューズですね!
履いてみる!
何はともあれ、靴は履き味。実際履いてみます。
先に「ポストマンシューズのようだ」と書きましたが、履くときの印象はだいぶ違います。まるでスニーカー、とまでは言いすぎですが、革がかなり柔らかくて履きやすい。革靴やブーツは履き始めの1週間程度は革が馴染むまで我慢して履くことが多いものですが、HIHINは初っ端から全然履けます。
特にソールの柔軟さが、履きやすさのキーポイントになっているように感じます。靴ベラが無くても比較的履きやすくて、使い勝手もまさにカジュアルな印象。
甲高な私ですが、靴紐をやや緩めて履けば全く問題なく、痛みが出ることもなく履けました。外羽根式とVフロントの恩恵でしょうか。10代20代のころは多少痛みが出ても「革を育てる」とか言ってガマンして履けましたが、今はもう無理。最初から履き心地のいい革靴を探してるなら、HIHIN、既にオススメです。
ナイキのスニーカーは30cm、コンバースのオールスターは29cmを着用していますが、HIHINは45(30~30.5cm)でジャストフィット。幅広、甲高で足が痛くなる方には試して欲しい履き心地!
スタイリング
実際に外で履いた様子がコチラ。革靴でありながら、どこかスニーカーのようでもある。ちょっとしたフォーマルの場でも、遊びの場でも問題なく溶け込むでしょう。ガラスレザータイプなので、それなりに主張があってドレッシーです。
先にも書いた通りポストマンシューズ風ではあるのですが、いわゆるザ・ポストマンシューズと比べればフォルムは良くも悪くもかなりモダンです。超アメカジ!って感じになりにくくてどんな服にも合わせやすいので、トータルコーディネートしなくても適当に履いて決まる靴になってると思いました。
一般的に「ブルージーンズとドレスシューズは合わん」と言われてますが(誰が言っとるんじゃ、という感じですが)知ったことかと思う私にとっては、まあ「何にでもに似合う」というのはメチャ便利。
石田純一風に軽く履く(左上写真?)のも良し、トラディショナルにキレイ目に履くのも良し、ソールが滑りにくくて安定するので、365日、雨でも雪でも履ける革靴です。
牛革なので防水性はありませんが、ガラスレザー採用で多少の耐水性はあります。ソールは防水なので、大雨などズブズブに濡れない限りは大丈夫でしょう。ただし、塗れた後は良く乾燥させて、必ずレザークリームで栄養補給を!革靴を長く履く秘訣は、毎日のちょっとしたケアです。
履いた感じも歩く感じも、革靴というよりはスニーカー寄り。とにかく歩きやすい!グリップも強くて地面をしっかり掴みます。悪路も全然へっちゃら。インソールが分厚いためか、地面を踏んだ時の反発もスニーカーっぽい。長く歩いても疲れが出にくいです。逆の言い方をすればレザーソールなどの「カッ!カッ!」と靴音を鳴らして歩く感じは皆無。そういうのを求めるビジネスマンには向かないかも知れません。
HIHINの持っている長所は、どこまでも実用的。日本人の足に合ってて足が痛くなりにくく、歩きやすく滑りにくくて頑丈。HIHINはそのコンセプトとは裏腹に、結構ヘビーデューティーな印象です。
軍モノの革靴などはラバーソールも多かったりしますが、HIHINはその佇まいに通ずるものがあります。ゆえにトラッドな服装とも相性が良いですね!
使用前に防水スプレーしとくべし
HIHINは比較的頑丈な革靴ですが、ケアを怠ればダメになるのが早まります。購入したらキレイなうちに防水スプレーを吹きかけておくと、キレイな状態で長く使うことができるのでオススメです。
私は革靴にはコロニルのカーボンプロを使ってます。水をバチバチに弾いて長持ち。木製のシューレースと共に是非お買い求めを。以下の記事でも詳しく紹介しています。
まとめ
日本ブランドで日本人の足に合いやすく、歩きやすい。ヘビーデューティーな作りながら、インソールや靴裏、靴紐などディティールが細かくてオシャレ。カジュアルにもキレイ目にもイケるスニーカーのような革靴、それが MANEBU の HIHINです。30cmと大きな私の足にもフィット。お気に入りの一足になっています。
HIHINは二色展開で、今回紹介したのはブラック。ブラウンもラインナップされています。アッパーには牛革のガラスレザーが採用。公式通販もあります(靴ベラのオマケつき、2023年12月現在)が、大手通販の方がポイントがついてお買い得です。革靴としては結構リーズナブルなのも嬉しい!
よりドレッシーな革靴をお求めなら、ウイングチップタイプの「UKI」もオススメ。HIHINとほぼ同型でトラッドな印象のウイングチップです。こちらも2色展開。
国内ブランドで30cmの革靴作ってるところって本当に珍しい!履き続けるので、是非MANEBUには HIHINを作り続けて欲しい…!
今回はこれにて。最後までお読みいただき有難うございました。