2024年10月追記:Apple Watch 10がリリースされました。相変わらずECGの承認はApple Watchにしかされていないのが現状です。
突発的に体調が悪くなるときがある妻。病院にかかると診断結果は「不整脈」とのこと。要経過観察となりました。取り急ぎ、Apple Watch 7 を帰りしなにポチって妻にプレゼント。目当てはもちろん「心電図(ECG)」。自分で心電図を取ることができれば経過観察しやすいのでは?と期待したのです。
今回の記事では、Apple Watch 7 は不整脈をちゃんと判定できるのか?などを、主に妻の目線、女性の健康管理の目線からお送りします。最後までお付き合いください。
なぜ Apple Watch を選んだか
Apple Watch は健康管理に特化したガジェットというよりは「iPhoneとの親和性に特化したガジェット」です。その姿勢は 7 となった本機でも変わりありません。
では、なぜ Apple Watch 7だったのか?答えは単純で、現時点では(追記:2024年9月現在も) Apple Watch しか選択肢が無かったからです。正確に言えば、医療機器指令93/42/EECの認証を含む諸々の承認を得ているのが現時点で Apple Watch (シリーズ4以降) しかありません。米国では既にオープンしていても、日本では承認待ちという機種ばかり。FitBit など人気のスマートウォッチもECGを搭載していますが、日本では未開放です。
ECG承認機関は仕事してんの?ってぐらい進捗がなく、Apple Watch以外は全然承認されません。Appleからカネ貰ってんのか? きっと忙しいんでしょうね。待ってられないのでApple Watch を購入しました。
レビュー
サッサと心電図のレビューを見たい方はコチラ。妻推薦です。
開封レビュー
妻へのプレゼントである Apple Watch 7 ですが、開封レビューはさせてもらいます。すまん妻。カラーは妻の希望でベージュ、サイズは41mmを選択しました。
さっそくいきます、ドン。
中にはハコが2つ。「ベルト」と「時計本体」が入っているハコに分離されています。
それはそうと、箱を包んでいたパッケージ?のデザインがとってもカワイイ!色とりどりの Apple Watch が パターンになっています。こういうところが Apple は上手いですね。
ベルト側には、本体に取り付けるベルトがサイズ違いで2種、同梱されています。
取り扱い説明書が2枚入っていますが、アレッ珍しいなと思いました。Apple はこういう紙の同梱物を嫌うイメージがあったのですが。細かい事ですみません。
時計側には、本体・充電ケーブル・そして厚めの取扱説明書。…やはり、紙が多い気がしますね…。
さておき、本体側を見てみましょう。
前面はほぼディスプレイで占められ、他に見えるのは右上に配置されたリューズ(デジタルクラウン)のみ。ほとんど凹凸がないのに、コレだけで高級感を醸し出せるのは「さすがApple」と言ったところ。
裏面には電子式心拍数センサーに血中酸素濃度センサー、光学式心拍数センサーを配置。上下にはベルトを取り外すためのバンド・リリース・ボタンが配置されています。
精密機が肌に接するので防水性が気になるところですが、防沫性能と耐水性能を備えているので大丈夫。ただし「防水」でなく「耐水」なので、水に浸すことは非推奨とされています。
デジタルクラウンの横にはサイドボタン。機能的には旧 iPhoneのホームボタンのような役割を果たします。さらに逆サイドには通気口兼、スピーカーの穴が。
Apple は「良いモノを手にした」と思わせるのが上手い。妻のものにも関わらず、美しくパッケージングされたガジェットに心躍りました。
セットアップ
まずはベルトを装着。
普通の腕時計は特殊な器具が必要ですが、ワンタッチで取り外せるようになっているのは素晴らしい。腕時計業界は見習う点があると思いますが、誰でも簡単にやれるようになると時計屋さんの食い扶持が減るので難しいですね。
ペアリングは iPhoneに近づけて、画面を映すだけで簡単。ここらへんは前から一緒ですね。あいかわらず iPhone との親和性の高さを伺わせます。
健康器具として使用するので、生年月日や身長体重、アクティビティの設定はしっかり。
これにてセットアップは完了。iPhoneさえ手元にあって、最新OSへのアップデートが完了しているなら難しいことは特に無いでしょう。
心電図レビュー
細かい使用感は色々なところで解説されているので、さて置きます。重要なのは心電図が正しく取れるか。妻の不整脈を判定できるのか、です。
妻は病院の診断を受けた上で、Apple Watchでの経過観察を自主的に行っているに過ぎません。体調に異変がある場合は自己判断せず、必ず病院へ!
「心電図App」を立ち上げて、デジタルクラウンに指を乗せて30秒待つ。心電図の使い方はこれだけです。なんてお手軽。写真のように、ザ・心電図といった波形が表示されています。
心臓の動きが正常であれば「洞調律」と表示されます。上記は妻の体調が問題ないときに計測したものなので、洞調律と表示されています。心電図も規則正しい波が表示されていますね。
では不整脈のときはどう表示されるのか?
不整脈の時に診断すると「判定不能」と表示されます。上のスクショは妻が不調を感じたときの心電図ですが、明らかに不規則な波を見て取れます。えっ、こんな事になってんの…と私も絶句。心臓の動きがグラフ化されることで分かりやすさが段違いです。
妻は体調に異変を感じたら不整脈Appを使っています。ログを取る意味あいもありますし、「判定不能」なのであれば収まるまで安静に。結果が洞調律なのであれば「気のせいか」と思うことができるので、行動の指針になります。
いま自分が不整脈かどうか判定できるのは、想像以上に有用。不整脈持ちの人にはECG機能、すごくおすすめです!
医者に見せてみた
妻の主治医に見せたところ「なんなんコレ超便利やん」という反応でした。そういう機能があるとは知っていたものの、ここまで詳細な値が出るとは思って無かった様子。
先に書いた通り、不調を感じたら測定しているので、一日にどれぐらい不整脈が起こるか?どのように起こっているか?のログが全て残っています。主治医にとってコレほど分かりやすいことは無いそうで、大層感心していました。
一点、「寝ている時も取ってくれたら最高なんだけどなあ」とのこと。さすがに心電図を撮り続ける方法はありませんが、心拍数に異常があったときには通知してくれるので、それで概ね判断はできます。
妻の場合は睡眠時に脈拍が40回/分を切っている時があり、その通知がありました。妻は自覚症状が無かったそうですが、「睡眠中にも不整脈が起こっている可能性が高い」ことを主治医とも共有できました。やはり睡眠時にもログを取ることは重要ですね。
2023年9月追記:セカンドオピニオンでも見せてみたところ、慣れた手つきでログを閲覧し、カルテに書き込んでいました。これがあると無いとでは得られる情報が段違いとのことで、不整脈の方には医師自らおすすめしてるとのこと。進んでます。
そのほか健康管理
もう一点のウリは「血中酸素」。コロナ重症化の目安となった「パルスオキシメーター」は記憶に新しいですが、これとほぼ同じ機能が Apple Watch にも搭載されています。
Apple Watch 6以降の対応なのでご注意を!こちらはスマートウォッチ全般に導入が進んでいる機能で、Apple Watch以外でも搭載されています。
「血中酸素ウェルネス App」を開いて、しばらく待つ。これだけで測定可能です。 一般的に、正常値は92~98%と言われています。ここから数%以上の乖離があったら異常な状態、さらに90%を切ると呼吸不全と定義されます。
先に書いたパルスオキシメーターの代替になるほか、「睡眠時無呼吸症候群」かどうかを簡易的に測定できるのが素晴らしい。
血中酸素ウェルネス App と「バックグラウンド測定」を設定すれば、睡眠時もログを取ることができます。
上記が妻の睡眠時のログ。95~100%の間で収まっているので、ほぼちゃんと呼吸ができていると判断して良いでしょう。(自己判断は危ないですが)無呼吸症候群だと90%を切るどころか、85%程度まで下がることもあるらしいので一目瞭然でしょう。
睡眠時無呼吸症候群は自覚しにくいので、私も測定したい…!自分用を買おうかどうか、本気で迷い中です…
そのほか、妻のお気に入り機能として「月経周期」があります。いわゆる整理の周期について、記録と予想をしてくれるアプリです。
妻はオムロンの体温計を使っているのですが、これと連動してさらに正確なログを取れるようになっています。
男性にはピンときにくい機能ですが、生理周期の記録は超大事!(妻談)アプリとして導入されてるぐらいなのでニーズの高さが伺えます。男性はパートナーへのプレゼントとしても良いですね。
おわりに
「不整脈持ちの女性はとにかく『買い』」というのが妻の言葉でした。お医者も便利と言うぐらいの機能です。あると何かと便利でしょう。
健康管理デバイスとして決定版か?と言われると、バッテリーの持ちが気になります。逆に言えば不満点はそこだけです。今後ECGの認可が下りたスマートウォッチが出てくれば価格含めて選択肢が広がっていくでしょうが、Apple Watchは大きな選択の一つとして残り続けるでしょう。
2023年9月現在、最新機 Apple Watch 9がリリースされました。主に健康管理に使うなら41mmで十分でしょう。価格も安いですし。特に女性の手にはピッタリの大きさに感じました。
ちょっとでも安く、という方は過去モデルである Apple Watch 8などの検討を。SEは心拍は取れるものの、心電図Appには非対応なので注意。過去モデルを買うなら シリーズ4以降のモデルであることを覚えておいてください。
本日はこれにて。最後までお読みいただき有難うございました。