私はゲームクリエイターとして生計を立てています。だからという訳ではありませんが、カードゲーム・ボードゲームに関してはそれなりに詳しいつもりです。こういったアナログゲームは頭を使うものも多く、知育の側面でも注目されています。我が家ではアナログゲームをちょっとしたお勉強ツール代わりとしても使っています。
我が家には5歳の子がいるので、その子も交じって遊べるものばかり購入しています。今回はそんな小さい子も遊べるアナログゲームのなかでも、特に面白かったもの、お勉強代わりとして有用だったもの、子どもが強い関心を示したものなどを紹介します。ぜひ最後までお付き合いください。
小さい子も遊べる!おすすめアナログゲーム
キャプテン・リノ
商品名 | キャプテン・リノ |
価格 | ¥1,700前後 |
対象年齢 | 5歳~ |
人数 | 2~5人用 |
大人おもしろ度 | ★★★★☆ |
子供おもしろ度 | ★★★★★ |
勉強になる度 | ★★☆☆☆ |
「キャプテン・リノ」は少し変わったカードゲーム。カードゲームを折り曲げてビルを作っていき、ビルが倒れてしまったら負け…というルールです。
屋根カードに描いてある模様通りに壁カードを置き、その上に手持ちの屋根カードを置いたら次の人へ。カードゲームとジェンガが合体したような遊び応えで、ルールも5歳から問題なく理解できます。屋根カードには「2+(屋根カードを2枚置く)」、「リターン(順番逆転)」などがあるので、そこが小さい子には少し難しいかも。
中でも「リノカード」が出たら、所定の位置へリノ・フィギュアを移動する必要があります。リノ自身は小さいとはいえ、カードの塔ではかなり重い存在。リノをそ~っと上層へ持って行くときは、大人も子供も息を呑みます。ちょっと変わりダネながら、小さい子から大人まで夢中になるポテンシャルを秘めたゲームです。
カードで組みあがっているので風に弱いです。小さい子はテンションが上がって、パタパタ動き回ったり顔をビルに近づけたり…。他人の手番で風を起こしてしまって、ビルが倒壊…なんてことも良くあります。「他の人がやっているときは、静かに少し離れて応援しようね」などマナーについて事前に教えてあげるとケンカにならずに楽しめます!
ビルが倒壊してしまったらゲーム終了。もしくは皆に配られた手札が全て無くなったら全員の勝利!というのもあります。つまり対戦でなく協力するゲーム。ゆえに大人が手心を加える必要がなく、真剣に遊ぶことができます。どういう置き方をするとバランスが崩れないか?頭を使いながら、時に立ち上がってダイナミックに遊べるカードゲームです。
できあがるビルも可愛らしく、盛り上がるポイントも分かりやすいので子どもにも大好評。我が家で最も遊ばれているゲームは、このキャプテン・リノです!
ナインタイル
商品名 | ナインタイル |
価格 | ¥2,000前後 |
対象年齢 | 2~4人 |
人数 | 6歳以上 |
大人おもしろ度 | ★★★★☆ |
子供おもしろ度 | ★★★☆☆ |
勉強になる度 | ★★★★☆ |
言わずと知れた名作「ナインタイル」。9枚のパネルを使ってお題と同じセットアップを作り上げる、というシンプルなルールのゲームです。
ルールは単純なので、理解するだけなら3~4歳でも可能でしょう。しかしちゃんと遊ぼうとおもったら、やはり5歳以上程度が良いと思います。
表と裏にマークが書かれているので時にひっくり返しながらマークを探す必要があります。あと一か所埋めれば完成!というときに目的のマークが無い!なんてことも。そういう時はどこかを崩して作り直さなければなりません。この「あれ!?欲しいのが無い!」というのがナインタイルのミソです。
リソースが不足している時に、他を崩して穴を埋め再構築する…という手順は、プログラミングに通じる考え方。記憶力や閃きが試されるので、見た目以上に頭を使います。早いもの勝ちというルールも手伝って、瞬発力や集中力も必要。短時間で終わるゲームですが、子どもの「考えるチカラ」を育ててくれる要素がたくさん詰まっています。
ご覧の通り、パネルやパッケージのデザインが秀逸で、パネルの質感も高いです。ゲームの面白さには直接関係はないとはいえ、遊んでいて気持ちよいデザインになっています。ルールは同じでマークがポケモンになっている「ポケモン版」もあるので、お好みに合わせてどうぞ。
1ゲームが短くてパッと遊べるので私は大好き!集中力を使うので、30分もブッ続けでやると疲れます(笑)。ちょっとした隙間時間におすすめのゲームです。
宝石がいっぱい!
商品名 | 宝石がいっぱい! |
価格 | ¥2,000前後 |
対象年齢 | 4歳~ |
人数 | 2~6人用 |
大人おもしろ度 | ★★★☆☆ |
子供おもしろ度 | ★★★★☆ |
勉強になる度 | ★★★☆☆ |
ラメの入った質感と、キラキラした宝石が目を引くパッケージデザインの「宝石がいっぱい!」。知育玩具として周知されているのか、最近は本屋さんなどでも見かけます。
カードを並べた状態からスタート。自分の順番になったらカードを一枚めくります。宝石や化石、金塊が描かれていたら「掘り当てた」ものとして当該のカードをゲットできます。さしずめトレジャーストーン探しといった雰囲気です。
何も書かれていないカードはそのまま場に置いておくので、どこはもう見たか?見てない場所はどこか?を覚えておく必要があります。ここら辺のテイストは神経衰弱と少し似ていて、勝利のためには記憶力が試されます。
後半に出てくる宝石ほど点数が高いので、ガチでやると記憶力勝負になります。ルール自体は簡単なので4歳からできるのですが、最初は手加減しないと大人が完勝してしまいます(汗)
宝石が全て掘り当てられた時点で、最も多くの点数をゲットしているプレイヤーの勝利。上の写真にあるような素敵な宝石が一つ貰えて、さあ次のゲーム!という流れになります。この宝石が子どもたちには好評で、早く次やろう!と急かされます。子供心をくすぐるデザイン、パッケージングが巧妙なカードゲームです。
おにぎり屋さんカードゲーム
商品名 | おにぎり屋さんカードゲーム |
価格 | ¥500前後 |
対象年齢 | 3歳~ |
人数 | 2~7人用 |
大人おもしろ度 | ★★☆☆☆ |
子供おもしろ度 | ★★★☆☆ |
勉強になる度 | ★★★★★ |
「おにぎり屋さんカードゲーム」は、その名の通りオニギリを作って売り、お金を儲けるカードゲームです。ワンコインで買える価格設定も魅力!楽しくお金のことが学べます。
プレイヤーは100円の持ち金でスタート。その100円で材料を仕入れてオニギリを作り、販売してお金を稼ぎます。販売価格は材料を揃えるのが難しいものほど高くなるので、利ザヤがデカいオニギリほどハイリスク・ハイリターン。最後に一番お金を持っていた人が勝ち、というのがルールのあらましです。
例えば「お米(20円)+海苔(20円)+梅(10円)」を揃えると「梅おにぎり」が出来上がります。カードで役を作る感じですね。梅おにぎりは100円で販売できるので、仕入れ値を差し引くと50円儲かる、ということになります。
日本通貨を模したコインもついてくるので、お金の勉強にはピッタリ。20円を払うにはどのコインを出したらいいか?10円玉がないときは何円玉を出すのか?おつりは幾らか?など買い物の基礎が学べます。
ゲームとはいえ実体験すると非常に身に付きやすい!娘はこのゲームでお金の感覚がメキメキ伸びました。
対象年齢は3歳~とありますが、かなり手ほどきが要ると思います。「シャケ」を買い占めて他プレイヤーを妨害!などの駆け引きができる年齢になれば結構高度に遊べるのですが、小さい子にはやはり無理。幼児と遊ぶときには、大人がかなり手加減する必要があるでしょう。
売り買いが学べるのはもちろん「仕入れと販売価格の差が大きいほど、手元に残るお金が多い」ことが学習できるのは、このゲームならでは。間違いなく勉強代わりに使えるゲームです。
モノポリージュニア
商品名 | モノポリージュニア |
価格 | ¥2,500前後 |
対象年齢 | 5歳~ |
人数 | 2~4人 |
大人おもしろ度 | ★★★★☆ |
子供おもしろ度 | ★★★★☆ |
勉強になる度 | ★★★★☆ |
ボードゲームの雄、モノポリーを5歳からでもプレイできるようにした「モノポリージュニア」です。モノポリーの面白い部分を残しながら、難しい要素が削ぎ落されています。
細かいデザインは子ども向けにリファインされているものの、ボードを広げた様子はまさにモノポリー。不動産は「アイスクリーム屋さん」や「ゲームセンター」など子どもに馴染み深いものに変更されていますが、それらを購入してレンタル料を徴収していくルールはそのままです。
駒はネコとイヌと船と車の4つ。個人的には本家のコマの方が好きですが、子どもたちにはかなり好評。特に娘はネコがお気に入り。所有した不動産のコマに自分の目印を置くのも嬉しいようです。
共同基金カードはナシ、通貨は全て1マネー紙幣(10マネー、100マネー紙幣などはナシ)、ホテルなどの建築要素の削除など、理解し易いようシンプルにまとめられています。一方で、買い占めを行うと賃料が2倍になるのは本家のまま。交渉要素はチャンスカードに入れこまれているので、不動産を「モノポリー(独占)」して勝利を目指すゲームスタイルはしっかり踏襲されています。
「不動産を経営してテナント料を取る」は分からなくても「アイスクリーム屋さんを経営してお代を貰う」のは子どもたちでも理解できます。独占すると大量のお金が入ってくることが理解できれば、コレとコレ交換せえへん?という交渉が自然と子ども同士で生まれたり。
お店を経営して、お金をやりとりし、時に交渉する。まさにちょっとした実業家、経営者です。お金があると高笑いし、無くなると切なくなるのもちょっとリアル。「ビジネス」を楽しみながら体験できるボードゲームです。
子ども向けとはいえ、芯はしっかりモノポリーなので大人も楽しめます!おにぎり屋さんが買い物を学べるゲームなら、モノポリーはビジネスが学べるゲームです。
ジュエルハント
商品名 | ジュエルハント |
価格 | ¥2,200前後 |
対象年齢 | 6歳~ |
人数 | 2人 |
大人おもしろ度 | ★★★★★ |
子供おもしろ度 | ★★★★☆ |
勉強になる度 | ★★★☆☆ |
「ジュエルハント」は宝石泥棒をモチーフにしたアナログゲーム。形の違うジュエルを交互に置きあう、パズル要素の強い2人用ゲームです。
1~4個のジュエルで構成された赤と緑のジュエルを交互に置きあい、ケース(上画面の黒いやつ)を埋め合うのが基本の流れ。ケースを埋めたら自分のものになり、得点になります。つまり相手の持っているジュエルを見ながら、できるだけ相手にケースを埋められないように自分のジュエルを置いていく必要がある訳です。
対象年齢6歳~ですが、「そこに置いたらパパそれ取っちゃうぜ?」と導きつつやれば5歳でも十分プレイできました。こちらの手持ちのジュエルをジロジロ見てきます(笑)
ジュエルの置き合いは、時にカードの存在でかき乱されます。一回休みになったり、宝石が没収されたり。「トリック」や「停電」が出ると、場にあるジュエルの場所を入れ替えたりできるので、逆転要素もあり頭を使います。
小学3年生にもなると大人顔負けのプレイをするので、大人も普通に真剣になれます。ゲームとして見て完成度が高く面白いです。2人でしかプレイできない点が珠に傷ですが、子供同士・大人同士でも熱く楽しめる対戦ゲームです。
じっくり考えて遊びたいときにはピッタリ!場の状況を見ながら理屈でゲームを運ぶ必要があり、見た目とは裏腹にとても頭を使います。5歳と8歳で対戦しても良い勝負してたので、大人はサポートに回って子供同士で対戦させるのも面白いです。
わたしはなあに?カードゲーム
商品名 | わたしはなあに?カードゲーム |
価格 | ¥1,000前後 |
対象年齢 | 3歳~ |
人数 | 2人~ |
大人おもしろ度 | ★★☆☆☆ |
子供おもしろ度 | ★★★★☆ |
勉強になる度 | ★★★★★ |
「はい or いいえ」で答えられる質問を繰り返してお題を当てるゲームを、小学生のときにやりませんでしたか?それらが遊びやすくパッケージされた製品が「わたしはなあに?カードゲーム」です。
お題カードは全部で40枚。付属のヘッドバンドでお題カードを額に固定したら準備完了。「食べられますか?」「家にありますか?」など Yes か Noで答えられる質問で、額にあるカードを推理していきます。
2人の我が子は最初こそ勝手が掴めず「全然わからへん」と嘆いていましたが、大人が答える側になってお手本を見せると要領が分かったのか、少しずつできるようになりました。
どういう質問をすれば答えに近づいていけるのか?を考えながらプレイすることになるので、ゲームとはいえ高度な思考を要求されます。
思考力を養う優れたゲームですが、お題は40しかないので、何度か遊ぶと答えを覚えてしまって質問が定形化する…という問題はあります。そんなときは、付属している白紙のカードでオリジナルのお題を作ることもできます。コレが楽しい!子どもたちに問題を作らせると、悩んでいる大人の姿が面白いのか、とても楽しんでくれますよ。
質問の回数を制限すれば「少ない回数で答えを絞るには、どういう質問をすると良いか?」という高度な思考が必要になります。これはまさにプログラミング的思考。大人も子供も思考力が鍛えられる、とても勉強になるカードゲームです。
ひらめき列車
商品名 | ひらめき列車 |
価格 | ¥2,000前後 |
対象年齢 | 2~6人 |
人数 | 6歳~ |
大人おもしろ度 | ★★★★☆ |
子供おもしろ度 | ★★★☆☆ |
勉強になる度 | ★★★★☆ |
「ひらめき列車」は、カードに書かれたお題についてスピーチすることで列車を作っていくカードゲームです。
お題はバリエーション豊か。「自分が持っている中で、ないと生きていけないものは?」「さいごに嘘をついたのはいつ?」「いますぐどこかに行けるとしたら、どこに行きたい?」など、大人が訊かれても「ちょっと待ってな…」となる内容が揃い踏みしています。
子どもとやっていても「え、そうなん!?」と意外な回答があったりして、お互いに発見があって面白いです。ゲームというより、コミュニケーションツールと言ったほうが近いかも知れません。
ときに「うたおう!」「おどろう!」「(まばたきしない時間を競う)まばたきバトル」などのアクティビティもあるので、子どもとやるとキャッキャと遊べます。身内以外の人と遊ぶのはちょっと勇気がいるかも…!
同じマークのカードを3枚集めると、ひっくりかえして車両にすることができます。それを写真のように3車両繋げたら勝利。お互いのエピソードトークを20回程度ずつこなすと終了、という感じです。記憶を辿ったり、人に分かるように説明するのは非常に頭を使います。楽しみながら考える力・想像する力が鍛えられるカードゲームです。
子どもたちの色々な話が聞けて、大人も楽しみやすいゲームです。戦略とか駆け引きは皆無なので小さい子でも遊べる一方、少し大きくなると物足りなくなる側面もあるようです(8歳息子談)。
まとめ
子どもの勉強って悩みます。我が子もワーク(問題集)を日常的にこなしていますが、私自身がそういう幼少期を過ごしていないので未だにシックリ来てなかったりします。せめて土日ぐらいは息抜きがてら、頭をつかうゲームで一緒に遊べないかな… と思ったのが、こういったゲームを買い漁るようになったキッカケです。
子どもたちの勉強代わりとして完全に機能したのは「おにぎり屋さんカードゲーム」と「わたしはなあに?カードゲーム」です。そこらへんの問題集より断然優秀。生きた知識として、子どもたちの実になっているのが分かりました。
ゲームとして特に面白いと感じたのは「キャプテン・リノ」「モノポリージュニア」「ジュエルハント」です。特にリノは我が子たちから「色々やったけどコレが一番オモロい」という評価を頂きました。何かいいカードゲーム無いかな?という方にも俄然おすすめです。
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今回はこれにて。最後までお読みいただき、ありがとうございました。